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本試験への不安を自信に変える、模試の戦略的活用法

ユーキャンの行政書士講座で学習を進めているみなさん、ここまでの努力、本当にお疲れさまです。

初学者にやさしいと評判のユーキャンを選び、わかりやすいテキストとカリキュラムを着実にこなしてきたあなたの努力は、合格への確かな一歩となっています。

しかし、ユーキャンの教材を一通り終えた今、こんな不安を感じていませんか?

「教材はやりきったけど、全国のライバルと比べて自分の実力は本当に通用するのだろうか?」

「本番の緊張感の中で、3時間という限られた時間で実力を出し切れるだろうか?」

「自分の知らない論点が出題されたらどうしよう…」

こうした不安は、真剣に学習に取り組んできたからこそ感じる、ごく自然な気持ちです。そして、この「最後の壁」とも言える不安を乗り越え、「絶対の自信」に変えるための最も強力なツールが、今回ご紹介する外部模試なのです。

この記事では、単におすすめの模試を並べるだけではありません。ユーキャン受講生のあなたが、なぜ外部模試を受けるべきなのか、どの模試があなたに最適なのか、そしてその効果を最大限に引き出すための具体的な活用法までを、徹底的に解説します。

この記事を読み終える頃には、漠然とした不安から解放され、本試験当日までの明確な道筋と、それを実行するための確かな武器を手にしているはずです。

1. なぜ外部模試が合格への最後のピースなのか?ユーキャン「+1」戦略の総仕上げ

当サイトでは、ユーキャンの優れた基礎教材に、市販の良質な問題集などを一つ加えることで合格を確実にする「U-CAN+1」戦略を提唱しています。そして、その戦略の最終章、総仕上げとして位置づけられるのが、この「外部模試」の活用です。

もちろん、ユーキャンにも「合格デジタルサポートパック」に含まれるWebテストや、弱点を自動で分析してくれる「弱点克服機能」といった優れた学習ツールがあります。これらは、ユーキャンの教材で学んだ知識が定着しているかを確認するには非常に有効です。

しかし、これらの機能と外部模試では、その目的と役割が根本的に異なります。ユーキャンのWebテストは、あくまで「ユーキャンの教材をマスターするための内部確認ツール」です。素晴らしい機能ですが、本試験そのものが持つ特性、つまり全国数万人の受験生との相対的な競争や、試験会場の独特のプレッシャーまでは再現できません。

合格を確実にするために、外部模試が持つ以下の3つの役割を理解することが重要です。

1. 本番の緊張感を体験できるプレッシャーシミュレーション

行政書士試験は、3時間で60問を解くという、知識だけでなく集中力と時間管理能力が問われる試験です。自宅でテキストの問題を解くのとは全く異なる、独特の緊張感が試験会場にはあります。

外部模試、特に会場受験を選ぶことで、この本番さながらの環境を事前に体験できます。他の受験生の鉛筆の音、ページをめくる音、刻々と迫る終了時間。このプレッシャーの中で実力を発揮する訓練は、模試でしか得られない貴重な経験です。

2. 全国レベルで自分の立ち位置を正確に把握

独学や通信講座での学習における最大の課題は、「自分の客観的な立ち位置がわからない」ことです。自分が解いた問題が、他の受験生にとって簡単な問題なのか、それとも難しい問題なのか。自分の得点は、合格圏内にいるのか、それともまだ遠いのか。

この問いに明確な答えを与えてくれるのが、大規模な受験者数を持つ予備校の模試です。LECや伊藤塾、TACといった大手予備校の模試は、毎年数千人規模の受験生が参加します。その中で算出される順位や偏差値、各問題の正答率といった詳細なデータは、あなたの現在地を正確に映し出す「鏡」となります。

この客観的なデータに基づいて、直前期の学習計画を修正することが、合格への最短ルートを切り開くのです。

3. 気づかなかった弱点を見つけ出す

ユーキャンの教材は合格に必要な知識を網羅していますが、作成する講師や編集方針によって、どうしても解説の濃淡や視点の偏りが生じる可能性があります。

大手予備校がそれぞれの威信をかけて作成する模試は、異なる専門家チームが最新の出題傾向を分析して作問しています。そのため、ユーキャンの学習だけでは気づかなかった、自分でも意識していなかった「潜在的な弱点」や「知識の穴」を見つける絶好の機会となります。

これまで得意だと思っていた分野で意外な失点をしたり、全く手薄だった論点が出題されたりといった経験は、あなたをさらに強くし、本番での失点を防ぐための最高の予防策となるのです。

2. あなたに合った模試の選び方:大手予備校4社を徹底比較

では、具体的にどの模試を選べばよいのでしょうか。重要なのは、「一番良い模試はどれか?」ではなく、「今の自分にとって、最適な模試はどれか?」という視点を持つことです。各予備校の模試には明確な個性と戦略的な役割があります。

ここでは、主要な大手予備校4社の模試の特徴を一覧できる比較表をご用意しました。まずはこの表で全体像をつかみ、あなたの目的から逆算して最適な「練習相手」を見つけてください。

たとえば、圧倒的な演習量を求めるならLEC、本番以上の厳しい環境で自分を試したいなら伊藤塾、といった具合です。

主要予備校の模試比較表【2025年版】

予備校回数料金(目安)形式最大の特徴こんな人におすすめ
LEC7回22,000円(パック)会場/自宅業界最多の演習量と詳細なデータ分析とにかく量をこなし、試験への体力と自信をつけたい人
伊藤塾2回6,000円会場/自宅本番より難しいハイレベルな問題と高い的中率高得点合格を目指し、厳しい環境で実力を試したい上級者
TAC2回5,500円会場/自宅全国最大規模の受験者数による信頼性の高い順位判定全国のライバルの中での客観的な立ち位置を正確に知りたい人
アガルート1回5,478円自宅のみ圧倒的な質と量を誇る約6.5時間の詳細な解説講義点数だけでなく、なぜ間違えたのかを根本から理解したい人

料金や回数は2025年目標のものを参考に記載しており、変更される可能性があります。必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

3. 各予備校の模試を徹底分析!特徴と活用法を詳しく解説

比較表で全体像をつかんだところで、次は各予備校の模試が持つ具体的な強みと、ユーキャン受講生がどのように活用すべきかを、さらに深く掘り下げていきましょう。

3.1 LEC:圧倒的な演習量で実力と自信をつける

LECの模試の本質

LECの模試を一言で表すなら「総合トレーニングプログラム」です。これは単なるテストではなく、7月から10月にかけて段階的にレベルアップしていく全7回の体系的なカリキュラムであり、ユーキャンの基礎学習を終えた受講生にとって、直前期の完璧な「ペースメーカー」となります。

LECの模試パック全7回の内容と活用法

全7回というボリュームは圧倒的ですが、それぞれの模試には明確な役割があります。これを理解することで、計画的に実力を伸ばすことができます。

名称回数時期戦略的目的
到達度確認模試2回7月~8月基礎知識の定着度を確認し、夏後半の学習計画を立てる
全日本行政書士公開模試2回8月~9月本番レベルの問題で実戦感覚を養い、全国レベルでの立ち位置を把握する
ファイナル模試1回10月本試験と同一形式での最終リハーサル。時間配分とメンタルを最終調整する
厳選!直前ヤマ当て模試2回10月最新の法改正や最重要論点に絞った予想問題で、最後の1点を上乗せする

LECならではの3つの強み

詳細な成績分析

多くの合格者がLECの強みとして挙げるのが、詳細な個人成績表です。全体順位はもちろん、問題ごとの正答率や分野別の得点率が可視化されるため、「なんとなく苦手」が「具体的にこの論点が弱い」というレベルまで明確になり、効率的な復習が可能になります。

高品質な特典教材

模試パックに付属する特典のドリルや冊子は、「これだけでも有料級」と高い評価を得ています。模試で明らかになった弱点を補強するための最適なツールが提供される点も、LECの大きな魅力です。

丁寧な記述式添削

LECの模試では、記述式の答案に対して講師が丁寧に添削し、コメントを付けて返却してくれます。どのキーワードが足りなかったのか、どうすれば点数が伸びるのか、具体的なアドバイスがもらえるため、独学では対策が難しい記述式の実力を大きく向上させることができます。

おすすめポイント

LECは、学習のペースメーカーを求めている人、そして圧倒的な演習量を通じて不安を自信に変えたいと願う、すべてのユーキャン受講生にとって最も王道で確実な選択肢です。

3.2 伊藤塾:高難易度の問題で本番に動じない力を養う

伊藤塾の模試の本質

伊藤塾の模試は「エリート向けストレステスト」と言えるでしょう。その最大の特徴は、意図的に本試験よりも高く設定された難易度にあります。その目的は、単に知識を測ることだけではありません。高難易度の問題に直面した際の思考力、そしてプレッシャー下でも崩れない強靭な精神力を鍛え上げることにあります。

この厳しい試練を乗り越えることで、本試験が相対的に「易しく」感じられるという、計り知れない心理的アドバンテージを得ることができるのです。

難しさの中に隠された価値

なぜ、あえて難しい模試を受ける価値があるのでしょうか。それは、平均的なレベルの模試では見過ごされてしまうような、理解の浅い部分や知識の綻びを容赦なく暴き出してくれるからです。

さらに、伊藤塾の模試は例年4,500人以上という、行政書士試験の模試としては最大級の、そして非常に学習意欲の高い受験生が集まることでも知られています。このハイレベルな母集団の中で上位に食い込むことができれば、それは合格が極めて有力であることを示す、信頼性の高い指標となります。

難しくても心配無用。結果の受け止め方

一方で、「難しすぎる」という評判があるのも事実です。しかし、伊藤塾の模試の結果に一喜一憂する必要はありません。点数が低くても落ち込むのではなく、それを「本番前に弱点を教えてくれた最高の診断ツール」と捉えるべきです。

この模試は、合格ラインぎりぎりを目指すのではなく、余裕を持った高得点での合格を狙う学習者のためのものです。

おすすめポイント

伊藤塾は、単に合格点を目指すのではなく、余裕を持った高得点合格を狙うユーキャン受講生に最適です。本番でどんな難問が出ても動じない、盤石の実力と精神力を手に入れたいあなたのための「最終兵器」です。

3.3 TAC:全国最大規模のデータで客観的な実力を測る

TACの模試の本質

TACの模試の価値は、その「絶対的な客観性」にあります。全国に広がる校舎網を活かし、毎年、全国最大規模の受験者数を集めることで知られています。その膨大なデータから導き出される順位や偏差値は、数ある模試の中で最も信頼性の高い「全国標準のものさし」と言えるでしょう。

自分の実力を、感情や主観を排して、冷静な事実として知りたい。そのニーズに完璧に応えるのがTACの模試です。

段階的に力試しができる2回の模試

TACの模試は、ユーキャンの慎重な初学者というタイプに非常に適した、2段階の診断プロセスを提供しています。

8月 全国実力チェック模試

これは、本格的な公開模試の前に実施される、いわば「健康診断」です。出題範囲は基礎的な問題が中心で、これまでユーキャンで学んできた基礎知識がどれだけ定着しているかを測るのに最適です。いきなり全国模試に挑戦するのが不安な学習者にとって、無理なく実戦演習への一歩を踏み出すための、理想的なステップとなります。

9月/10月 全国公開模試

こちらが本番です。試験直前期に、全国のライバルたちの中での自分の正確な立ち位置を把握するための、最も重要な模試となります。この模試の結果を基に、残りの1〜2ヶ月で何をすべきかを最終決定します。

詳細な成績表で効率的な復習が可能

TACの「個人別成績表」は、その詳細さで定評があります。総合順位だけでなく、各問題の正答率(他の受験生が正解できたか)が明記されているため、「他の受験生が正解しているのに自分は間違えた問題」を特定できます。

これは、合否を分ける「絶対に落とせない問題」であり、最優先で復習すべき対象です。この戦略的な復習を可能にするデータを提供してくれる点が、TACの大きな強みです。

おすすめポイント

自分の実力を客観的に、そして最も正確に測りたいなら、TACは必須です。特に、いきなり高難易度の模試に挑戦するのが不安な方は、8月の「実力チェック模試」から始めることで、無理なく実戦演習に入っていくことができます。

3.4 アガルート:充実の解説講義で理解を深める

アガルートの模試の本質

アガルートの模試は、他の予備校とは一線を画します。その本質は、テストそのものではなく、テストの後に提供される約6.5時間にも及ぶ、圧倒的な質と量を誇る解説講義にあります。これはもはや「模試」というより、一流講師による「最後の集中講義」と呼ぶべき、究極の学習ツールです。

ユーキャンの学習を補完する理想的な教材

この特徴は、ユーキャン講座の特性と見事に噛み合います。ユーキャンは初学者向けのわかりやすさを重視する一方、講義時間が約38時間と、他の予備校に比べて短いという側面があります。

より深い解説や、周辺知識の補強を求める学習者にとって、アガルートの模試に付属する詳細な解説講義は、まさに渇望していた「+1」となり得ます。

カリスマ講師による「なぜ」の徹底解説

アガルートの講義は、豊村慶太講師をはじめとする、そのわかりやすさと熱意で絶大な人気を誇る講師陣が担当します。彼らの解説は、単に正解・不正解を告げるだけではありません。

なぜその選択肢が正解なのか、なぜ他の選択肢は誤りなのか、その背景にある条文や判例、法的な考え方までを丁寧に、そして具体例を交えながら徹底的に解説してくれます。この「なぜ」の理解こそが、未知の問題に対応できる真の実力、つまり「応用力」を養うのです。

おすすめポイント

アガルートの模試は、「点数」よりも「なぜ」を重視するあなたに最適です。ユーキャンの学習で得た知識を、一流講師による最後の集中講義で完璧に仕上げたい。そんな知的好奇心旺盛な学習者のための、究極の学習体験です。

4. 目標別・学習スタイル別の模試活用プラン

最適な模試を選んだら、次はそれをどう活用するかが重要になります。ここでは、あなたの目標や学習スタイルに合わせた、3つの具体的なプランを提案します。

プランA:高得点で確実に合格したい人向け(充実プラン)

余裕を持った合格を盤石にしたい方向けの、最も網羅的なプランです。

  • 8月:TACの「全国実力チェック模試」で基礎力を確認し、夏休みの学習計画の指針とする
  • 9月:LECの「全日本行政書士公開模試」(2回)で演習量を確保し、実戦感覚を磨く
  • 10月上旬:伊藤塾の「公開模擬試験」で高難易度の問題に挑戦し、精神力と応用力を最終チェックする
  • 10月中旬以降:LECの「ファイナル模試」「ヤマ当て模試」で、最終調整と重要論点の確認を行う

プランB:効率と効果のバランスを重視する人向け(標準プラン)

効率性と効果のバランスを取りたい、多くの受験生におすすめのプランです。

  • 8月:TACの「全国実力チェック模試」で客観的な実力を把握する
  • 9月~10月:LECの「全日本行政書士公開模試」(2回)または伊藤塾の「公開模擬試験」(2回)のどちらかを選択
    • 演習量とデータ重視ならLEC
    • 難易度と的中率重視なら伊藤塾を選ぶ
  • 追加オプション:もし解説講義で理解を深めたい場合は、アガルートの模試を1回追加する

プランC:費用を抑えたい人向け(節約プラン)

予算を抑えつつ、模試の効果を最大限に引き出したい方向けのプランです。

  • ステップ1:まずは市販の模試(後述)を1〜2冊購入し、自宅で時間を計って解く。これで基本的な時間配分や弱点把握を行う
  • ステップ2:その上で、予備校模試を一つだけ厳選して受験する。最も重要な「全国レベルでの立ち位置」を知るために、TACの「全国公開模試」(2回で5,500円)が最もコストパフォーマンスが高い選択肢となるでしょう

5. 予算重視なら市販模試も選択肢に!よくある質問もまとめて回答

予備校の模試は効果的ですが、費用が気になる方もいるでしょう。その場合、書店で購入できる「市販模試」も非常に有効な選択肢です。

TAC、LEC、伊藤塾といった大手予備校は、それぞれ1,500円〜2,500円程度で2〜3回分の模試が収録された書籍を出版しています。これらは、個人成績表が出ないというデメリットはありますが、「時間配分の練習」や「未知の問題への対応力強化」といった目的は十分に達成できます。

プランCで提案したように、まずは市販模試で実戦経験を積み、最後にTACの公開模試で全国順位を確認するという組み合わせは、非常に賢い戦略です。

よくある質問

Q1. 模試は何回受けるべきですか?

A. 理想は、異なる予備校のものを最低でも2〜3回受けることです。これにより、特定の予備校の出題傾向に偏ることなく、バランスの取れた実力診断が可能になります。

Q2. 模試で何点取れれば安心できますか?

A. 一つの目安は、合格基準点である180点を安定して超えることです。しかし、より重要なのは「順位」です。本試験の合格率は約10%前後ですので、参加者の中で上位20%以内に入っていれば、合格の可能性はかなり高いと言えるでしょう。

Q3. 最も効果的な復習方法は?

A. ただ正解・不正解を確認するだけでは効果は半減します。重要なのは、すべての選択肢について「なぜそれが正解なのか」「なぜ他の選択肢は誤りなのか」を自分の言葉で説明できるようにすることです。

特に間違えた問題は、専用の「復習ノート」にまとめ、なぜ間違えたのか(知識不足、勘違い、ケアレスミスなど)を分析し、二度と同じ間違いをしないための対策を書き出すと、飛躍的に実力が向上します。

まとめ:自信を持って本試験に臨むために

ユーキャンの優れた教材で築き上げた確かな基礎知識。それに、本記事で紹介した戦略的な外部模試という「+1」を加えること。これが、ユーキャン受講生が行政書士試験に合格するための、最も確実で再現性の高い成功法則です。

模試は、あなたを評価するためのものではありません。あなたの努力を最後の最後で合格へと結びつけるための、最も信頼できるパートナーです。模試が明らかにしてくれるあなたの弱点は、本番で失点するはずだった未来を救ってくれる、最高の贈り物なのです。

あなたはもう、一人で不安と戦う必要はありません。

さあ、もう一度比較表に戻り、あなたの合格を確実にするための、最高のパートナーを選びましょう。そして、絶対の自信を胸に、本試験の会場へと向かってください。