はじめに:その不安は妥当です。事実で確かめましょう
「森T」こと森広志講師のサンプル講義は、わかりやすくて面白い。これなら無味乾燥になりがちな法律学習でも続けられそうだ——そう感じた直後に、ネット上では「サポートの返信が遅い」「テキストの誤植が多い」といった評判も目に入るはずです。
講座に賭けてみたい前向きな気持ちと、投資を無駄にしたくない不安。その板挟みは、多くの行政書士受験生が抱える現実のジレンマです。
本記事の目的は、資格スクエアの宣伝をなぞることではありません。最も大きな指摘である「サポート体制」と「テキストの質」について、最新の口コミや公式情報を丁寧に洗い出し、実態をできるだけ客観的に示します。
良い点も悪い点もそのまま提示したうえで、それらがあなたの学習スタイルにとって「致命的な欠点」なのか、許容できる「トレードオフ」なのかを判断する材料を提供します。後悔のない選択に近づくための、実務的な検証レポートです。
サポート体制を徹底検証:「遅くて不親切」か、それとも「独自の戦略」か?
資格スクエアのサポートに関する評判は、賛否がはっきり分かれています。
一部では高く評価される一方で、厳しい批判も目立ち、まるで相反する二つの現実が存在しているかのようです。
ここでは単純に「良い」「悪い」と断じるのではなく、その背後にある資格スクエア独自のサポート哲学を深く掘り下げます。
中核となる批判:「返信が遅い」という不満
まずは、否定的な評判から冷静に確認しましょう。
実際に受講生からは「質問への回答が遅い」「問い合わせメールの返信がタイムリーではない」という声が少なくありません。特に専門性の高い質問では、返信が来るまでに時間がかかるケースも報告されています。
通信講座では、疑問点をすぐに解消できないことが学習の停滞やモチベーションの低下に直結します。
一人で学習を進める中で生まれる「分からない」という壁を、すぐに取り除きたいと考える受講生にとって、返信の遅さは大きな不安要素となるのは当然と言えるでしょう。
もう一つの視点:疑問解決だけでなく「モチベーション維持」を重視した仕組み
しかし、調査を進めると別の側面が浮かび上がります。
資格スクエアは、個別の質問に迅速に対応する「点」のサポートよりも、受講生全体が学習を継続しやすい環境を作る「面」のサポートに注力しているようです。
これは単に「対応が遅い」という問題ではなく、サポートの設計思想そのものが他社とは異なることを意味しています。
特徴1:疑問を素早く解消できる「みんなの質問」機能
資格スクエアには「みんなの質問」という機能があります。
これは、過去に他の受講生が投稿した質問とその回答をデータベースとして閲覧できるシステムです。
この機能には二つの大きなメリットがあります。
- 時間の節約
多くの受講生がつまずくポイントは共通しているため、自分の疑問はすでに誰かが質問していることが多いです。
そのため、わざわざ質問を送って返信を待つ手間を省き、すぐに解決策を得られます。 - 安心感と連帯感の獲得
「自分だけが分からないわけではない」と分かることで、孤独になりがちな通信講座でも安心感を得られます。
受講生同士が間接的に支え合う仕組みとして、心理的な効果も非常に大きいといえます。
特徴2:月1回開催される「森T講師とのZoom相談会」
資格スクエアを象徴するサポートが、月1回の森T講師によるライブZoom相談会です。
これは単なる質疑応答ではなく、他の通信講座ではあまり見られない「グループコーチング」に近い取り組みです。
- 事前に集めた質問に優先的に回答
- 開催中はチャットでリアルタイム質問が可能
- 「Cランク問題はどこまでやるべき?」「民法の復習タイミング」「暗記が苦手な場合の対策」など、学習戦略の核心を突く具体的なテーマが多い
受講生は、森T講師から直接アドバイスを受けられるだけでなく、他の受講生の悩みや学習状況を共有することで「森Tクラス」という一体感を得ることができます。
この相談会は、受験生が挫折する最大の原因であるモチベーション低下を防ぐための強力な仕組みです。
一人で学ぶ通信講座でありながら、仲間と共に進んでいるという感覚を得られることが、多くの受講生にとって大きな支えとなります。
サポート体制に関する中間結論
資格スクエアのサポート体制は、何を重視するかによって評価が大きく変わります。
もしあなたが「個別の疑問を、24時間いつでも素早くメールで解決してほしい」と考えているなら、資格スクエアは物足りなく感じるかもしれません。その場合、「対応が遅い」という印象を持つのは自然なことです。
一方で、次のようなニーズがある場合は話が変わります。
- 学習ペースや戦略について、専門家から定期的にアドバイスを受けたい
- 他の受講生とつながり、孤独にならずにモチベーションを維持したい
- 森T講師のようなカリスマ講師と直接コミュニケーションを取りたい
これらを求める受講生にとって、資格スクエアのサポートは他にはない価値を持ちます。
それは単なる「疑問解消のための窓口」ではなく、合格まで一緒に歩んでいくための包括的な支援システムなのです。
テキストを巡る議論:信頼できない教材か、それとも特化型ツールか?
資格スクエアの評判で、サポート体制と並んでよく話題になるのがテキストの品質です。
特に「誤植が多い」という指摘は、受講を検討するうえで最も気になるポイントでしょう。
ここでは、この問題を正面から捉えた上で、資格スクエアのテキストが持つ本来の設計思想を解説します。
否定できない事実:「誤植」問題とその透明性
結論から言うと、資格スクエアのテキストに誤植や誤記があるのは事実です。
複数の口コミでも指摘されており、中には「正誤表自体に誤りがあり、正誤表の正誤表が必要だ」という厳しい声もあります。
学習の基盤となる教材にこうした問題があることは、受講生にとって大きな不安材料であり、明確な弱点です。
さらに過去には(2020年)、教材の著作権問題が話題になり、一部では教材の信頼性を疑問視する声もありました。
この件はすでに和解によって解決していますが、ブランドへの信頼性という観点からも無視できない事実といえるでしょう。
こうしたネガティブな情報を隠すことは、結果的に読者や受講生の信頼を損ねます。
あえてありのままを提示することこそが、誠実な情報提供につながります。
誤植だけでは見えない本質:講義中心型学習に最適化された「意図的な設計」
一方で、テキストへの批判を「誤植が多い」という一点だけで結論づけてしまうと、その本質を見誤る可能性があります。
資格スクエアのテキストは、一般的な予備校の教材とは根本的に設計思想が異なるのです。
口コミでも多く指摘されている通り、資格スクエアのテキストは文章量を大幅に削減し、要点と図解を中心に構成されています。
これは、テキスト単体で学習を完結させる「百科事典」のような教材を目指したものではありません。
むしろ、森T講師の講義を主役として引き立てるための「脚本」や「楽譜」として設計されているのです。
この構成には、明確なメリットがあります。
学習効率の最大化
要点と図解に絞ることで、文字を読む時間を最小限にし、講義そのものに集中できます。
難解な法律用語の羅列に圧倒されることなく、講義を聞きながら視覚的にポイントを整理できるのが特徴です。
講義による理解の深化
一見するとシンプルすぎる要点も、森T講師の「難しい法律をやわらかく伝える」解説によって、具体的なイメージを伴った知識に変わります。
テキストに残された「余白」は、講義を通して補われることを前提として設計されているのです。
内容と機能性の高さ
誤植の問題はある一方で、テキストの内容自体は判例や具体例が豊富で、図解もわかりやすいと高く評価されています。
また、他社では珍しいPDF版テキストが提供されており、印刷やオフライン閲覧ができる点も大きな利点です。
まとめると、資格スクエアのテキストは単体で完結する教材ではありません。
森T講師の講義と組み合わせることで初めて真価を発揮する、一体型の学習ツールなのです。
テキストに関する中間結論
資格スクエアのテキストには、大きく分けて二つの側面があります。
- 品質管理上の課題
誤植や誤記が存在することは事実であり、これは明らかな改善点です。
受講生にとっては学習効率を下げるリスクであり、講座として解決すべき問題です。 - 設計思想としての特徴
シンプルな構成は単なる不足ではなく、森T講師の講義を主役とした学習を最大化するための戦略的な設計です。
この構成は、特定の学習スタイルを持つ受講生にとっては大きなメリットになり得ます。
結論として、資格スクエアのテキストは誤植という「欠点」と講義との連動を前提とした「設計思想」の両面を理解したうえで評価する必要があります。
どちらか一方だけで判断せず、総合的に見極めることが重要です。
統合と最終判断:自分に合った講座を見極めるために
ここまで、資格スクエアの「サポート体制」と「テキスト品質」という2つの大きな懸念点を、多角的に検証してきました。
この章では、それらを統合し、最終的に資格スクエアを選ぶべきかどうかを判断するための実践的なフレームワークを提示します。
悪い評判の正体:噂と実態を比較する
これまでの分析を、簡単にまとめると以下の通りです。
ネット上で語られるシンプルな批判と、実際の運用方針や背景を並べて比較することで、より深い理解につなげます。
| ネガティブな噂 | 実態と戦略的な背景 |
|---|---|
| サポートが遅くて役に立たない | 個別メールの返信は時間がかかることがあるが、サポートの目的が違う。 「みんなの質問」機能で自力解決を促し、月1回の森T講師によるライブ相談会でモチベーション維持とコミュニティ形成を重視している。 |
| テキストが誤植だらけで信頼できない | 誤植は確かに課題。ただし、テキストは単体で完結するものではなく、森T講義と連動する設計。 要点と図解に特化し、学習効率を最大化するための「脚本」として作られている。 |
この「欠点」をどう捉えるかは、学習者次第
資格スクエアの「弱点」は、すべての受講生にとって等しく問題になるわけではありません。
むしろ、自分の学習スタイルに合っているかを判断するための指標になります。
この講座が向いていない人
- 独学タイプの学習者
分厚いテキストを自力で読み込み、講師とのやり取りは最小限で構わないと考える人。 - 即時解決を重視する人
疑問をリアルタイムで解消できないと不安になる人。
メールや質問システムで素早い返信を求める場合はストレスになる可能性が高いです。 - 完璧主義の人
教材内の誤植が気になり、集中力が削がれてしまう人。
この講座がベストな選択になる人
- モチベーション維持を最優先する人
これまで挫折経験があり、とにかく学習を継続することを最重視する人。 - 音声・映像での学習が得意な人
テキストよりも、講師の解説を聞きながら視覚的に理解する方が得意なタイプ。 - 学習仲間やコミュニティが欲しい人
講師や他の受講生とつながりを持ちながら、一体感を持って勉強を進めたい人。 - 効率的に学びたい人
テキストは補助ツールと割り切り、講義で示された重要ポイントだけを効率的に学びたい人。
3.3 最終的な判断基準
資格スクエアは、すべての面で完璧な講座を目指してはいません。
彼らが重視しているのは、「一人の卓越した講師による、学習体験そのものの変革」です。
つまり、あなたが選ぶべきポイントは、単純に「良い」「悪い」ではなく、
次のどちらを重視するかという学習哲学の選択になります。
- データや完璧さを求める学習
完璧な教材、即時対応、誤植ゼロを重視する。 - エンゲージメントとモチベーションを求める学習
講師との一体感や学習を楽しむ感覚を優先する。
最終的な判断は、この二つのうち、あなたがどちらを大切にするかによって決まります。
結論:最終判断は、あなた自身の「学習スタイル」による
本記事では、資格スクエア行政書士講座に関する「悪い評判」を徹底的に検証しました。
その結果、噂には確かに事実に基づいた部分があることが分かりました。
しかし同時に、それらは講座全体を正確に反映したものではなく、一部だけを切り取った不完全な評価でもあります。
サポートの返信スピードやテキストの誤植は、資格スクエアが抱える明確な弱点です。
ただし、これは「森T講師による圧倒的な学習体験」に力を集中させた結果生じた、意図的なトレードオフとも言えます。
結局のところ、最適な講座は人によって異なります。
あなたの学習スタイルや性格、そして最も大切にしたい価値観によって選ぶべき講座は変わります。
この記事が、その判断を下すための材料になれば幸いです。
誰かの評判に振り回されることなく、自分自身の基準で冷静に決断できる準備が整ったはずです。
最後のステップ:まずは「体験」してみる
資格スクエアの価値は、最終的には森T講師の講義という体験に集約されます。
そのため、本当に自分に合うかどうかを確かめる最良の方法は、自分自身が体験してみることです。
もしこの記事を読んで「モチベーション維持を最優先したい」というタイプに自分が当てはまると感じたなら、次の行動はシンプルです。
資格スクエアの公式サイトで公開されている無料サンプル講義を視聴してみてください。
そこで「これなら一年間続けられそうだ」「勉強が少し楽しみになりそうだ」と感じられたなら、それが何よりの答えです。
その感覚を大切にして、資格スクエアを合格へのパートナーとして選ぶかどうかを判断しましょう。

