はじめに:オンスク.JPを終えた人のための次のステップ
講義を見終えた今、多くの方がこんな疑問を抱いているはずです。
「試験の全体像や基本的な流れは理解できたけれど、これだけでは合格は難しいかもしれない。次に何をすればいいのだろう?」
この感覚は非常に正しく、次の行動を考えるうえで重要なサインです。
この記事は、その疑問に答えるために作られています。
私たちが提案する「オンスク.JPを中心に据えた、最も経済的な行政書士試験合格戦略」において、オンスク.JPは「最高の講座」ではなく、「最高のスタート地点」です。
ここからさらに合格を目指すためには、次の一手として市販教材の導入が不可欠です。
本記事の目的は、オンスク.JPで得た基礎知識を確実に「合格力」へと高めるために、数多くの市販教材から「たった1セット」だけの基本テキストと過去問題集を選ぶお手伝いをすることです。
この選択によって、学習効率は最大化され、費用を抑えつつも合格へのロードマップが完成します。
なぜオンスク.JPだけでは不十分なのか(そして、それで良い理由)
次のステップに進む前に、「なぜ市販教材を追加する必要があるのか」を理解しておくことが重要です。
ここで伝えたいのはオンスク.JPの欠点を批判することではなく、その特性を最大限に活かすための戦略的な考え方です。
オンスク.JPの最大の強みは、月額980円(税抜)という圧倒的な低価格で、心理的にも金銭的にも学習開始のハードルを大きく下げてくれる点にあります。
特に行政書士試験は科目数が多く複雑なため、最初の一歩を踏み出すこと自体が難しいものです。
その一歩を低リスクで踏み出せるという価値は、計り知れません。
しかし、このビジネスモデルには必然的な限界もあります。これは多くのユーザーからも指摘されているポイントです。
オンスク.JPが持つ限界
- 知識の深さに限界がある
約32.5時間という講義時間は、全体像をつかむには最適です。
ただし、難解な判例の深い理解や、本試験レベルの複雑な法律問題を解けるレベルまで知識を深めるにはどうしても不足します。 - 演習量が圧倒的に足りない
合格には、知識を覚える「インプット」だけでなく、過去問を大量に解く「アウトプット」の訓練が欠かせません。
オンスク.JPだけでは本試験で求められるスピードと精度を身につけるだけの問題量が不足しています。 - 物理的なテキストがない
過去問や模試で間違えた箇所をすぐに確認したり、メモを書き込みながら知識を整理するには、手元に一冊の「基盤となるテキスト」が必要です。
このテキストがあることで、知識を一元化し、学習効率を大幅に高められます。
これらの弱点は、オンスク.JPの「低価格・オンライン特化」という強みと表裏一体のものです。
だからこそ、私たちの戦略ではオンスク.JPを「全体像を把握するための起点」として最大限活用し、その不足分である「知識の深掘り」と「演習量の確保」を市販教材という一度きりの投資で補完するのです。
こうすることで、費用を抑えながらも合格に必要な実力を効率的に身につけることができます。
次の教材選びの黄金律:「1シリーズの原則」
市販教材を選び始めると、その数の多さに驚くかもしれません。
基本テキスト、肢別過去問集、5年分過去問集、記述式問題集、一問一答集など、書店にはさまざまな教材が所狭しと並んでいます。
ここで多くの独学者が陥る最大の失敗が、「あれもこれもと手を出しすぎて、どれも中途半端で終わること」です。
この失敗を避け、最短距離で合格レベルに到達するためのルールが、「1シリーズの原則」です。
これは、信頼できる一つのシリーズに絞り込み、そのシリーズ内の
「基本テキスト」と「肢別過去問集」の2冊だけを購入して徹底的に使い倒す
という戦略です。
この方法がなぜ強力なのか、その理由は大きく3つあります。
1. 一貫性がある
同じシリーズ内では、用語の使い方や解説のスタイル、レイアウトが統一されています。
そのため、学習中に余計な混乱が起きず、知識がスムーズに頭に入りやすくなります。
2. 連携性が高い
多くのシリーズでは、問題集の解説に「基本テキストの該当ページ番号」が記載されています。
これにより、「問題を解く → 解説を読む → テキストで確認する」という学習サイクルを素早く回せます。
3. 集中できる
教材を増やしすぎないことは、合格者に共通する鉄則です。
あれこれ浮気せず、2冊に絞り込むことで、1シリーズを徹底的にマスターできます。
一目でわかる!あなたに最適な学習パートナー診断
| シリーズ名 | こんな学習者に最適 | 主な特徴 | 配色 | セット価格(目安) |
|---|---|---|---|---|
| 合格革命 | 王道を往く正統派 | バランス型・圧倒的人気 | フルカラー | 約7,000円 |
| 出る順 | 実利を求める実践派 | 圧倒的な問題量+アプリ | 2色刷り | 約7,000円 |
| うかる! | なぜ?を追求する探求派 | 法律の深い解説に定評 | フルカラー | 約6,500円 |
| みんなが欲しかった! | 不安を抱える初学者 | 初心者への配慮・図解豊富 | フルカラー | 約6,500円 |
| 合格のトリセツ | 現代的なビジュアル派 | イラスト多用・講義動画付き | フルカラー | 約6,000円 |
この表は、各シリーズの特徴をざっと把握するための「羅針盤」です。
まずは自分がどのタイプに近いかを考えてみましょう。
そうすることで、数多くの教材の中から、自分に合った選択肢をスムーズに絞り込むことができます。
【2025年版】市販テキスト&過去問題集 おすすめベスト5
ここからは、「1シリーズの原則」に基づいて厳選したおすすめの5大シリーズをご紹介します。
それぞれのシリーズの特徴や学習スタイルに合った活用方法を解説するので、自分にぴったりの教材を見つけてください。
1. 合格革命シリーズ(早稲田経営出版) 迷ったらこれ!王道を行く正統派
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 出版社 | 早稲田経営出版 |
| 配色 | フルカラー |
| 分冊 | 可(4分冊) |
| 特徴 | 図表と解説のバランスが良く、最も人気が高いシリーズ |
| 価格 | テキスト: 約3,200円 / 肢別過去問集: 約3,800円 |
基本テキスト:『合格革命 行政書士 基本テキスト』
フルカラーで見やすい紙面、豊富な図表、そして丁寧な解説が特徴のテキストです。
受験生が求めるポイントを高いレベルで満たしており、「王道」と呼ぶにふさわしい一冊といえます。
法律の条文や複雑な判例も、初学者でも理解しやすいように図解で整理されているため、効率よく知識を定着させることができます。
さらに2024年版からは本体が4分冊に分けられる仕様になり、持ち運びがより便利になりました。
肢別過去問集:『合格革命 行政書士 肢別過去問集』
この問題集は、行政書士試験対策の中でも特に人気が高く、多くの受験生に選ばれています。
本試験の選択肢を一つひとつ分解し、一問一答形式で学習できるため、各選択肢の正誤を判断する力をしっかり鍛えることが可能です。
基本テキストと併用することで、インプット(知識の習得)とアウトプット(問題演習)を効率的に繰り返す学習サイクルが完成します。
こんな方におすすめ
- 特定のシリーズにこだわりがない方
- 図解と文章解説のバランスが取れた教材を求める方
- 確実に基礎を固めながら、安定した学習を進めたい方
「迷ったらこれを選べば間違いない」と言えるほど信頼性が高いシリーズです。
2. 出る順行政書士シリーズ(LEC) 問題演習こそ合格への近道!実利を重視する実践派におすすめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 出版社 | LEC東京リーガルマインド |
| 配色 | 2色刷り(青系) |
| 分冊 | 不可(テキスト本体) |
| 特徴 | 2800肢以上の圧倒的な問題量と、便利な学習アプリが付属 |
| 価格 | テキスト: 約3,100円 / 肢別過去問集: 約3,850円 |
基本テキスト:『出る順行政書士 合格基本書』
このテキストはフルカラーではありませんが、青系の2色刷りで落ち着いたデザインが特徴です。
最大の魅力は「各テーマが見開き1ページで完結する構成」にあります。
このレイアウトにより、学習のテンポが良く、目的の項目を素早く探せるという大きなメリットがあります。
また、法律の意義や立法趣旨といった背景まで踏み込んだ解説も充実。
単なる暗記ではなく、理解を深めながら進められるため、多くの受験生から長年支持され続けてきたロングセラーです。
肢別過去問集:『出る順行政書士 良問厳選 肢別過去問集』
このシリーズの最大の魅力が、この肢別過去問集です。
過去30年以上の本試験問題から厳選された2800肢以上という圧倒的なボリュームを誇ります。
さらに注目すべきは、スマートフォンアプリが付属している点です。
通勤中やちょっとしたスキマ時間でも、効率的に問題演習が可能。
社会人受験生にとって非常に心強い学習ツールとなっています。
こんな方におすすめ
- 華やかな見た目よりも、とにかく演習量を重視したい方
- 大量の過去問を解きながら実践力を徹底的に鍛えたい方
- スマートフォンでスキマ時間を活用し、1分も無駄にしたくない方
「問題演習こそ最強の学習法」という考えを持つ実践派受験生にとって、最高のパートナーとなるシリーズです。
3. うかる!行政書士シリーズ(伊藤塾) 根本理解で合格を掴む!探求型のあなたへ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 出版社 | 日経BP 日本経済新聞出版(監修:伊藤塾) |
| 配色 | フルカラー |
| 分冊 | 不可 |
| 特徴 | 法律資格の名門・伊藤塾による、法の考え方を深く学べる解説 |
| 価格 | テキスト: 約3,300円 / 総合問題集: 約3,300円 |
基本テキスト:『うかる!行政書士 総合テキスト』
法律資格指導の名門校「伊藤塾」が監修する、信頼性の高いテキストです。
フルカラーで視覚的に分かりやすいだけでなく、他の教材と比べて「なぜそうなっているのか」という背景や制度趣旨まで丁寧に解説している点が大きな特徴です。
単なる暗記にとどまらず、法的な思考力(リーガルマインド)を育てながら学習を進められるため、深く理解して記憶を定着させたい方に最適です。
問題集:『うかる!行政書士 総合問題集』
このシリーズの問題集は、一般的な一問一答形式ではなく、本試験と同じような形式の「分野別過去問題集」となっています。
テキストで学んだ知識が、実際の試験でどのように問われるのかを体系的に確認でき、実践的な力を養うことができます。
解説も非常に丁寧で、基本テキストとの連携もスムーズです。
もし一問一答形式が好みであれば、同シリーズの『一問一答過去問セレクション』を組み合わせて使うことも可能です。
こんな方におすすめ
- 「なぜそうなるのか」を考えながら理解を深めたい方
- 単なる暗記ではなく、背景や理由を知ることで記憶を定着させたい方
- 法律の面白さを感じながら、知的好奇心を満たす学習をしたい方
根本理解を重視する探求型の学習者にとって、最も学びがいのあるシリーズです。
4. みんなが欲しかった!シリーズ(TAC) 初学者の不安に寄り添う、一番やさしい学習パートナー
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 出版社 | TAC出版 |
| 配色 | フルカラー |
| 分冊 | 可(5分冊)14 |
| 特徴 | 豊富な板書(図解)と平易な文章で、初学者に圧倒的に分かりやすい 6 |
| 価格 | テキスト: 約3,300円 / 肢別問題集: 約2,900円 8 |
基本テキスト:『みんなが欲しかった!行政書士の教科書』
「法律の勉強は初めてで、難しい文章を読むのが苦手…」
そんな方に一番おすすめしたいのが、このシリーズです。
最大の特徴は、講義の板書をそのまま書籍化したようなレイアウト。
フルカラーで図解やイラストが豊富に使われており、視覚的に理解しやすくなっています。
また、法律特有の難しい言葉も、噛み砕いた分かりやすい表現で解説。
法律に対して苦手意識を持つ方でも、抵抗感なく学習を始められます。
肢別問題集:『みんなが欲しかった!行政書士の肢別問題集』
この問題集も、テキストと同じく分かりやすさ重視で作られています。
左ページに問題、右ページに解説というシンプルな構成で、テンポよく進められるのが魅力です。
さらに、解説には図解が多く使われており、「なぜその選択肢が正しいのか」「なぜ他が間違っているのか」を視覚的に理解できる工夫がされています。
こんな方におすすめ
- 法律の学習に不安を感じている完全な初学者
- 活字ばかりのテキストでは学習が続かない方
- 図やイラストで視覚的に理解する方が得意な方
初学者の不安を和らげ、「学ぶことが楽しい!」と感じさせてくれるシリーズです。
楽しく継続して学習を進めたい方にぴったりの一冊です。
5. 合格のトリセツシリーズ(LEC)
イラストと動画で学ぶ、現代的なビジュアル派向け教材
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 出版社 | LEC東京リーガルマインド |
| 配色 | フルカラー |
| 分冊 | 可(5分冊) |
| 特徴 | イラスト中心の紙面と、LEC人気講師による無料解説動画40本付き |
| 価格 | テキスト: 約3,300円 / 基本問題集: 約2,860円 |
基本テキスト:『行政書士 合格のトリセツ 基本テキスト』
2020年に登場した比較的新しいシリーズですが、その分かりやすさから急速に人気を集めている注目の教材です。
最大の特徴は、図解だけでなく「イラスト」をふんだんに使用している点です。
難解な法律問題や複雑な人間関係、事案の流れなどを、キャラクター化されたイラストが視覚的にサポートしてくれるため、初学者でもスムーズに理解できます。
さらに、LECの人気講師による無料解説動画40本が付属。
テキストで学んだ内容を動画で補強することで、独学でありながら通信講座に近い充実した学習体験が可能です。
問題集:『行政書士 合格のトリセツ 基本問題集』
この問題集も、テキスト同様にイラストや図解が豊富で、解説が非常に分かりやすく作られています。
各テーマごとに「過去問チャレンジ」が設けられており、インプットした知識をすぐにアウトプットへつなげることが可能です。
学習サイクルを短く回すことで、記憶の定着を効果的に促します。
こんな方におすすめ
- テキストだけでなく、動画講義も併用して学習を進めたい方
- キャラクター化されたイラストや視覚情報を通じて理解を深めたい方
- 独学でも通信講座に近い学習体験を求めている方
イラスト+動画という現代的なスタイルで、効率よく楽しく学びたい方に最適なシリーズです。
新しい学習サイクル:オンスク.JP×市販教材で完成する最強の勉強法
教材をそろえたら、次は「どう使うか」が合格へのカギになります。
ここでは、オンスク.JP・基本テキスト・肢別過去問集の3つを連携させた、シンプルで強力な学習法を紹介します。
その名も、「週間学習ループ」です。
このループの核となるのは、行政書士試験の合否を大きく左右する民法と行政法に集中的に取り組むこと。
この2科目だけで試験全体の約6割を占めるため、ここを優先的に強化することで合格への近道となります。
究極の3ステップ週間学習ループ
ステップ1:思い出す(オンスク.JP:30分)
その週に学習するテーマ(例:民法「代理」)の講義動画をオンスク.JPで倍速視聴します。
これは「これから学ぶ内容の骨格」を頭に呼び起こす準備運動のようなステップです。
短時間で全体像を再確認し、学習のウォーミングアップを行います。
ステップ2:深める(基本テキスト:60分)
動画を見終わったら、すぐに対応する基本テキストをじっくり読み込みます。
オンスク.JPでは触れられなかった詳細な論点や判例、整理された図表に注目しながら、重要部分にはマーカーを引きます。
この段階で知識が「表面的な理解」から「本当の理解」へと深まります。
ステップ3:固める(肢別過去問集:90分)
基本テキストで理解した内容を、肢別過去問集で一気にアウトプットします。
同じテーマの問題をすべて解き、少しでも迷った選択肢があれば、すぐに基本テキストに戻って確認します。
この「インプット⇔アウトプットの即時反復」こそが、知識を短期記憶から長期記憶へ定着させる最も効果的な方法です。
学習サイクルを続けることで盤石な実力に
この3ステップを毎週着実に繰り返すことが合格への最短ルートです。
オンスク.JPで得た「スピード感と全体像」に、市販教材による「正確さと深さ」が加わることで、確かな実力が育ちます。
効率よく、そして確実に力を積み上げるために、このサイクルを日々の学習に組み込みましょう。
よくある質問(FAQ)
最後に、市販教材選びについて寄せられる質問と回答をまとめました。
Q1. 基本テキストと過去問題集、両方とも必要ですか?
A1. はい、どちらも必須です。
- 基本テキストは知識を理解するための「インプット用」
- 過去問題集は知識を使いこなすための「アウトプット用」
どちらか一方に偏ると学習効率が大きく下がります。
特に、過去問演習は合格に不可欠な最重要ツールです。
Q2. 40字記述式問題集はいつから始めるべきですか?
A2. まずは肢別過去問集を使い、択一式問題で問われる知識を徹底的に固めてください。
択一式の理解が、記述式問題の土台になります。
専用の記述式問題集(例:『合格革命 40字記述式・多肢選択式問題集』)に取り組むのは、本試験の3ヶ月前からで十分です。
序盤から手をつける必要はありません。
Q3. 専用の六法は必要ですか?
A3. 初めのうちは不要です。
今回おすすめしている基本テキストには、試験対策に十分なコンパクト六法が付属しています。
学習が進み、持ち運び用として必要になったら、『ケータイ行政書士ミニマム六法』などを追加で購入すると良いでしょう。
ただし、必須ではありません。
Q4. 2025年版の教材はいつ頃発売されますか?
A4. 主要なシリーズは前年の9月~12月に翌年度版が順次発売されます。
例えば、2025年度版は2024年の秋から冬にかけて発売されます。
行政書士試験は法改正が頻繁にあるため、必ず最新年度版を購入することが非常に重要です。
まとめ:費用対効果抜群の合格ロードマップが完成
オンスク.JPで学習をスタートしたことは、基礎知識を効率的かつ低コストで身につけるための最良の選択でした。
そして今、この記事で紹介した市販テキストと過去問題集から、あなたに合った「相棒」を1セット選んで取り入れることで、高額な通信講座にも負けない強力な学習システムが完成します。
これで、合格に必要なツールはすべてそろいました。
あとは、明確になったロードマップに沿って、一歩ずつ着実に進んでいくだけです。
さあ、行政書士試験合格というゴールに向けて、あなたの本格的な挑戦をスタートさせましょう。

