はじめに:合格実績が公表されない理由を知っていますか?

「資格の大原の行政書士講座を検討しているけど、合格実績が公表されていないのはなぜだろう?」

真剣に講座選びをしている方なら、誰もが一度は抱く疑問ではないでしょうか。合格者数や合格率といった数字は、講座の価値を判断する最も分かりやすい材料のように思えます。それなのに、なぜ大手予備校である大原が公開していないのか。

実は、その背景には多くの受験生が知らない予備校業界の構造的な問題と、大原が下した戦略的な判断が隠されています。

まず事実をお伝えしましょう。資格の大原は2021年度の実績公表を最後に、行政書士講座における合格者数の具体的な数値を公式サイト上で公開することをやめました。そして、公表停止前のデータを見ると、その数が年々減少傾向にあったことも事実です。

資格の大原 公表合格者数の推移(公表停止前)

年度公表合格者数
2012年度231名
2021年度45名

この事実だけを見れば、「実績が振るわなくなったから隠しているのでは?」という疑念を抱くのも無理はありません。

しかし、この記事の目的は、単に大原を擁護したり言い訳をしたりすることではありません。そうではなく、この「合格実績の非公表」という事象を深掘りし、予備校業界全体が抱える「数字のカラクリ」を解き明かすことにあります。そしてその上で、数字だけでは決して測れない講座の「本質的な価値」とは何かを明らかにしていきます。

この記事を読み終える頃には、なぜ大原の選択が、ある特定の学習者にとってはむしろ合理的な判断基準となり得るのか、その理由がきっと理解できるはずです。

第1章:予備校の「合格率」に隠された真実

資格の大原の状況を正しく理解するには、まず予備校業界全体で使われている「合格率」や「合格実績」という言葉の危うさを知る必要があります。一見すると客観的で公正に見えるこれらの数字は、実はその算出方法の曖昧さから、しばしば実態とはかけ離れた印象を与えるマーケティングツールとして機能している現実があるのです。

合格率の定義は意外と曖昧

予備校が公表する合格率は、基本的には次の式で計算されます。

合格率 = 合格者数 ÷ 受験者数

問題は、この式の分子(合格者数)と分母(受験者数)の定義が、各予備校の裁量に委ねられている点です。

合格者数のカラクリ

多くの予備校では「延べ人数」という数え方が使われています。これは、一人の受講生が複数の大学や学部に合格した場合、それを複数の合格実績としてカウントする手法です。

たとえば、一人の優秀な受講生が3つの大学に合格すれば「合格者3名」と計上され、数字が実態以上に膨れ上がります。中には、正規合格ではない「補欠合格」さえも実績に含めているケースもあるのです。

受験者数のカラクリ

分母となる「受講生」の定義も同じく曖昧です。年間を通じてカリキュラムを受講した生徒だけでなく、夏期講習や冬季講習といった短期講座のみに参加した生徒、さらには模擬試験を一度受けただけの生徒まで分母に含めている場合があります。

この問題は業界でも認識されており、全国学習塾協会が「受験直前の6ヶ月のうち30時間以上、または継続的に3ヶ月以上の受講」を塾生と定義する自主基準を設けたほどです。これは、これまでいかに基準が曖昧であったかを物語っています。

高い合格率を作り出すテクニック

さらに巧妙な手法も存在します。

フィルタリング手法

「出席率8割以上」「模試で一定以上の成績」といった条件をクリアした受講生のみを合格率の算出対象とする方法です。これにより、途中で脱落した生徒や成績下位の生徒が分母から除外され、見かけ上の合格率は劇的に上昇します。

特進クラス手法

もともと合格可能性が高い生徒だけを集めた特進クラスを作り、そのクラスの「合格率100%」を、あたかも予備校全体の成果であるかのように宣伝する手法も指摘されています。

結論:数字だけでは判断できない

これらの事実から導き出される結論は明確です。予備校が公表する合格実績は、教育の質を示す客観的なデータというよりは、マーケティング戦略の一部である可能性が高いということです。

ある業界関係者が「言ったもの勝ちの世界」と表現するように、その数字の裏側には様々な操作が存在しうるのです。

こうした業界の慣行を考えると、資格の大原が数字の公表を停止したという事実は、異なる視点から解釈できます。それは、数字の競争が激化し、その信頼性が揺らぐ中で、不毛な「数字遊び」から距離を置き、別の価値基準を提示しようとする戦略的な転換と捉えることもできるのです。

第2章:大原が選んだ新しい評価基準とは

合格者数という分かりやすい指標を手放した大原が、その代わりに何を提示しているのか。それは「合格者の声」という、極めて個人的で具体的な情報です。

一見すると、これは客観性の後退のように思えるかもしれません。しかし実は、これは評価の軸を「何人合格したか」という量的な結果から、「なぜ、どのようにして合格できたのか」という質的なプロセスへと意図的に移行させる戦略的な選択なのです。

なぜ「合格者の声」なのか

数字は匿名です。しかし「声」には個人の物語があります。

それは、一人の学習者がどのような課題に直面し、講座のどの要素を活用してそれを乗り越え、合格という結果にたどり着いたのかという具体的なストーリーを伝えてくれます。

公式サイトに掲載される声の数は、年間で4名から6名程度と決して多くはありません。しかし、その一つ一つの声には、これから学習を始める受験生にとって、抽象的な合格率の数字よりもはるかに有益な情報が凝縮されているのです。

「どうやって」合格したかを語る声の価値

「合格者の声」は、数字が決して答えることのできない、講座選びにおける本質的な問いに答えてくれます。

  • 講義は本当に分かりやすかったのか?
  • 教材は合格に必要な知識を網羅していたのか?
  • 学習ツール(アプリなど)は日々の学習継続に役立ったのか?
  • 講師やサポート体制は、孤独な受験勉強の支えになったのか?

大原が「合格者の声」を前面に押し出すことで、受講を検討している人々は、評価の基準を「他校との数字の比較」から、「講座の内容が自分自身の学習スタイルや課題に合っているか」という内面的な問いへとシフトさせることが促されます。これは、講座選びの基準そのものを変革しようとする試みなのです。

予備校選びの評価基準:従来型 vs. 新しい型

従来の評価軸新しい評価軸
合格率(%)講義の分かりやすさ
合格者数(名)教材の網羅性と質
全国No.1などの曖昧な実績学習ツールの実用性
サポート体制の充実度
学習の習慣化しやすさ

この評価軸の転換は、大原の講座が持つ特定の強みと深く結びついています。実際に「合格者の声」を分析すると、特定の講師、教材の特性、学習ツールへの賞賛が繰り返し語られていることが分かります。

大原は、自らが最も自信を持つ価値(講義、教材、ツール)を、それを実際に体験し成功した受講生の口を通して証明するという、より高度で誠実な証明方法を選んだのです。

第3章:数字では分からない大原の3つの強み

では具体的に、合格者たちは資格の大原の何に価値を見出し、合格を勝ち取ったのでしょうか。「合格者の声」を詳細に分析すると、数字では決して表現できない3つの本質的な価値が浮かび上がってきます。

強み①:思考力を鍛える講師の指導力

合格者の声で最も頻繁に言及されるのが、講師陣の質の高さです。特に、中心的な役割を担う持田講師への評価は際立っています。

「持田先生は、一人一人の受講生と何度も何度もアイコンタクトをとりながら授業を進めてくださるので、集中力が途切れることなく取り組む事ができました。」

「とっつきにくかった判例も持田先生が分かりやすく読み下して解説してくださることで、身近な物に感じ、覚えやすくなり、苦痛だった勉強が少しだけ楽になっていきました。」

これらの声が示すのは、単なる知識の伝達に留まらない、受講生のモチベーションを維持し、難解な法律概念を本質的に理解させるための高度な指導技術です。

さらに注目すべきは、その質の高さが特定の講師に限ったものではないという点です。

「複数の先生による講義を受講させていただきました。語り口調は先生によって異なりますが、教えることの上手さ分かりやすさは、すべての先生に共通していたと改めて感じています。」

これは、個人のカリスマ性に依存するのではなく、組織として高いレベルの教育品質が担保されていることの証です。合格者数は変動するかもしれませんが、このような指導品質こそが、学習者を合格へと導く揺るぎない土台となるのです。

強み②:自分だけの参考書に育てる教材設計

大原の教材には、フルカラーテキストが主流の現代において、白黒印刷という特徴があります。これは一見、デメリットに思えるかもしれません。

しかし、合格者はこれを全く異なる価値として捉えています。

「白黒のレクチャーテキストに当初は戸惑いました。しかし、結果的にこれが”自分だけのオリジナルテキスト”にすることにつながったので、非常に良かったと思います。…自身で書き込みをすることで情報の一元化ができ、マーカーで色付けすることで、重要論点や自身の弱点を可視化でき…」

この声は重要な真実を教えてくれます。教材の価値は「見た目の美しさ」にあるのではなく、「学習者がいかに主体的に関われるか」にあるということです。

余白を活かして書き込み、マーキングを重ねることで、市販の参考書は自分だけの知識体系が詰まった「最強の武器」へと進化します。これは、情報をただ受け取るだけの受動的な学習ではなく、自ら考え、整理する能動的な学習を促す設計思想の表れなのです。

第3章:数字では分からない大原の3つの強み(続き)

強み②:自分だけの参考書に育てる教材設計(続き)

また、その網羅性についても高い評価が寄せられています。

「一冊に全てのことが網羅されていて、かなり作り込まれているなと感じました」

派手さよりも、質実剛健な内容と学習効果を追求する姿勢。これが、合格者からの厚い信頼を得ている理由なのです。

強み③:学習を習慣化するツールとサポート環境

多忙な社会人が学習を継続する上で、学習の習慣化は最大の課題です。大原は、この課題に対して具体的なソリューション(解決策)を提供しています。

「アプリで時間を有効に使って学習を進められたのは大きかったです。」

多くの合格者が言及するスマートフォンアプリ「トレーニング問題集」は、通勤時間や休憩時間といった隙間時間を貴重な学習時間に変える強力なツールです。インプット(講義)とアウトプット(問題演習)をシームレスに繋ぎ、知識の定着を促進します。

さらに、孤独になりがちな通信学習を支える環境の価値も指摘されています。

「試験勉強で、自分のために闘ってくれる人は自分しかいないから孤独なものだけれど、大原の支えや応援があったからこそ、今日まで続けられたと思っています。」

これは、単なる教材の提供者ではなく、合格までの道のりを伴走するパートナーとしての役割を大原が果たしていることを示しています。

講師力、教材力、そしてそれを支えるツールと環境。この3つの価値が有機的に結びつくことで、学習者は着実に前進し、合格というゴールに到達することができるのです。

まとめ:あなたが選ぶべきは「見せかけの数字」か「本質的な価値」か

この記事では、資格の大原が合格実績の公表を停止したという事実から出発し、その背景にある予備校業界の「数字のカラクリ」を解き明かし、そして数字の代わりに大原が提示する「本質的な価値」を分析してきました。

結論として言えることは、予備校が公表する合格率や合格者数という指標は、その算出基準の曖昧さから、講座の真の価値を測る上で必ずしも信頼性の高いものとは言えないということです。

それらは時に、教育の質よりもマーケティングの巧みさを反映しているに過ぎません。

このような状況下で、大原が選んだのは、数字の競争から降り、代わりに「合格者の声」を通して、自らの講座が持つ本質的な価値(講師力、教材力、ツールと環境)を証明するという道でした。

これは、短期的な見栄えよりも、長期的な学習効果と受講生の成功に焦点を当てるという、教育機関としての誠実な姿勢の表れと解釈することができます。

あなたの選択は?

最終的に、講座選びはあなた自身の価値観に委ねられます。

あなたは、操作されている可能性のある「見せかけの数字」を信じますか?

それとも、実際に合格した人々が具体的に語る「本質的な価値」に投資しますか?

もしあなたが、派手な数字や特典よりも、地道で体系的な学習プロセスそのものを重視する学習者であるならば、大原の合格実績非公表という選択は、弱点ではなく、むしろその誠実さと教育の本質への集中を示す証となるでしょう。

次のステップ

この記事で論じた「本質的価値」が、具体的にどのようなコース、料金、サポート体制で提供されているのか。その全てを網羅した当サイトの究極レビューページで、あなたの目で確かめてください。