「資格の大原 行政書士講座」と検索すると、必ずと言っていいほど「料金が高い」という評判を目にします。講座選びで悩んでいる受験生にとって、これは見過ごせない情報でしょう。しかし、その評判は本当に今の実態を反映しているのでしょうか?

この記事では、「高い」という一言で片付けられがちな評判を、5つの客観的な視点から徹底的に分析します。単なる価格表の比較ではなく、合格するための「投資価値」があるのかを明らかにしていきます。

実は、「高い」という評判の背景には、大原が長年培ってきた老舗予備校としての歴史があります。かつて大原の主力だった教室通学コースは、「行政書士合格コース」が168,000円、「行政書士入門合格コース」が193,000円といった価格帯で、質の高い教育を提供する代わりに相応の費用が必要でした。この時代のイメージが、「大原=高い」という評判の源流になっているのです。

しかし、近年の学習スタイルの変化に対応して、大原は戦略を大きく転換しました。現在はスマートフォン一つで学習が完結するオンライン講座「パススル行政書士」を主力商品としています。この変化により、かつての評判と現在の実態との間には、大きなギャップが生まれている可能性があります。本記事では、その実態を多角的に検証していきます。

市場全体で見た大原の料金は?主要講座との徹底比較

「高い」の基準を明確にする

「高い」という言葉は相対的なものです。資格の大原の価格が本当に高いのかを判断するには、まず行政書士通信講座市場全体の中で、その価格がどの位置にあるのかを客観的に把握する必要があります。

そこで、主要な通信講座の価格と、それぞれが提供する核心的な価値を一覧表にまとめました。これにより、大原の市場でのポジショニングが明確になります。

主要行政書士通信講座 料金・価値比較表

提供会社主要コース料金(税込)核心的価値ターゲット層
スタディング合格コース コンプリート59,400円圧倒的な低価格、スマホ学習の柔軟性価格最優先の学習者
フォーサイトバリューセット394,800円フルカラーテキスト、高い合格率視覚的な学習を好む効率重視者
資格の大原パススル行政書士74,800円伝統と革新の融合、質の高い学習資産体系化された信頼性を求める学習者
アガルート入門総合カリキュラム/フル295,020円合格時全額返金、圧倒的な合格実績金銭的インセンティブを重視する実績主義者
TACプレミアム本科生242,000円大手予備校の網羅的カリキュラム伝統的な大手予備校の安心感を求める学習者

分析と結論

上記のデータが示すとおり、資格の大原の主力オンライン講座「パススル行政書士」の74,800円という価格は、市場において「極端に高い」わけではありません。業界最安値クラスのスタディング(59,400円)よりは高いですが、アガルートやTACといった従来型の大手予備校が提供する20万円を超えるコースと比較すれば、3分の1以下の価格です。

このことから、資格の大原は低価格帯と高価格帯の間に位置する、独自の価値を提供する「プレミアム・ミドルレンジ」というべきポジションを確立していることがわかります。問題は、その価格に見合うだけの価値が本当にあるのかどうかです。次の視点から、さらに深掘りしていきます。

受講料だけでは見えない価値―隠れたコストと大原独自の特典

受講料に含まれるものの価値を可視化する

講座選びにおいて、最初に提示される受講料は氷山の一角に過ぎません。「合格までの総コスト」という視点を持つことが重要です。これには、後から発生する可能性のある追加費用(隠れたコスト)や、受講料に含まれることで節約できる費用(隠れた資産)も含まれます。

大原独自の物理的資産:全国の自習室利用権

資格の大原が他のオンライン専門スクールと一線を画す最大の強みの一つが、物理的な校舎の存在です。「パススル行政書士」の受講生であっても、全国各地にある大原の校舎の自習室を利用する権利が付与されます。

自宅では集中できない、カフェでの学習は費用がかさむ、といった悩みを持つ受験生は少なくありません。有料自習室の月額利用料は数千円から一万円以上が相場です。仮に試験までの半年間、月5,000円の自習室を利用した場合、それだけで30,000円の追加コストが発生します。大原の受講料には、この「集中できる学習環境」へのアクセス権が実質的に含まれているのです。これは、オンラインの利便性と物理的な学習拠点の安心感を両立させる、大原ならではの価値提案と言えます。

サポートのコスト:質問制度の比較

学習を進める上で疑問点の解消は不可欠です。このサポート体制にも、講座によって「見えないコスト」が存在します。

  • 大原のモデル:「パススル行政書士」では、専用サイト「Mobile-O-hara」を通じて30回までの質問が可能です。これにより、学習初期のつまずきを解消するための基本的なサポートが保証されています。
  • スタディングのモデル:一方、スタディングのような低価格講座では、「学習Q&Aサービス」が有料のオプションとなっている場合があります。初学者にとって質問は避けられないため、これらの追加費用が積み重なると、当初の価格差は縮まる可能性があります。
  • 高価格帯のモデル:アガルートやLECなどの高価格帯の講座では、より手厚い、あるいは回数無制限の質問制度が用意されていることが多いですが、その分、初期費用が大幅に高くなります。

分析と結論

全国の自習室利用という物理的資産の金銭的価値と、他社では有料オプションとなる可能性のある質問サポートが含まれている点を考慮すると、大原の提示価格は見た目以上に競争力があると言えます。受講料は単なるデジタルコンテンツへの対価ではなく、合格までを支える包括的なサポートエコシステム(支援体制)への投資と捉えることができます。

学習の質への投資―講師とツールが合格を左右する

価格差は「合格可能性の差」に繋がるか?

受講料の差は、単なる価格の違いではなく、合格の可能性を左右する学習資産の「質」の違いに起因することがあります。ここでは、大原が提供する講師とツールの質に焦点を当て、その投資価値を検証します。

プレミアム資産としての講師:持田講師という価値

資格の大原の行政書士講座、特に「パススル行政書士」の価値を語る上で欠かせないのが、担当する持田講師の存在です。彼は単なる講師ではなく、その分かりやすさから「カリスマ講師」として多くの受講生から絶大な支持を得ています。

合格者の声からは、「メリハリのある講義がとてもわかりやすい」、「一人一人の受講生と何度も何度もアイコンタクトをとりながら授業を進めてくださるので、集中力が途切れることなく取り組む事ができた」といった評価が寄せられており、その指導力の高さがうかがえます。

優れた講師による指導は、難解な法律概念の理解を助け、学習時間を大幅に短縮し、多くの受験生が直面する挫折のリスクを低減させます。持田講師の指導にアクセスできることは、最も貴重な資源である「受験生の学習時間」への効果的な投資なのです。

合格への秘密兵器:トレーニング問題集アプリ

大原のもう一つの強力な学習資産が、スマートフォンアプリ「トレーニング問題集」です。これは単なる補助ツールではなく、合格者の多くがその効果を証言する、学習システムの中核をなす存在です。

このアプリには、過去問から厳選された3,000問以上の一問一答が収録されており、シャッフル機能やタイムアタック機能も搭載されています。合格者の中には「このアプリを完璧にしたら、180点も全然いける」「(記述対策も含め)高速で8回転したのが結果に繋がった」といった声もあり、その有効性は折り紙付きです。一部の科目をこのアプリだけで対策した合格者もいるほど、その網羅性と質の高さが評価されています。

分析と結論

大原の受講料には、トップクラスの講師による質の高いインプット(知識の吸収)と、効果が実証されたデジタルツールによる質の高いアウトプット(問題演習)を組み合わせた、強力な学習エコシステムへのアクセス権が含まれています。低価格の選択肢が必要な教材を提供する一方で、大原は合格の効率と確実性を高めるための「プレミアムな学習資産」を提供しており、これが価格差の根拠となっています。

伝統校ならではの安心感―孤独な学習を支えるサポート体制

伝統校ならではの揺るぎないサポート体制

資格試験の学習は、時に孤独で不安を伴う道のりです。だからこそ、学習を最後までやり遂げるための「安心感」は、目には見えない非常に重要な価値を持ちます。

ハイブリッド・サポートモデル

大原の強みは、オンラインの利便性と物理的な拠点がもたらす安心感の融合にあります。前述のとおり、学習の中心はオンラインで完結しますが、集中したい時には全国の自習室という「場」が提供されます。さらに、定期的に開催される持田講師によるZoomでのホームルーム(定期面談)は、学習上の疑問や不安を直接相談できる貴重な機会です。

この「オンラインの利便性」と「困ったときには頼れる物理的な拠点と講師との接点がある安心感」の両立は、オンライン専門スクールにはない、大手伝統校ならではの強みです。

レガシーブランドがもたらす信頼性

資格の大原は、数十年にわたり資格教育サービスを提供してきた実績があります。この長い歴史は、講座内容が突然変更されたり、サポートが予期せず終了したりするリスクが極めて低いという、運営母体への信頼に繋がります。特に、一年以上の長期的な学習計画を立てる受験生にとって、この制度的な安定性は、学習に集中するための重要な基盤となります。

分析と結論

大原の受講料の一部は、この「安心感」への投資と考えることができます。学習プロセスにおける不確定要素を可能な限り排除し、構造化された信頼性の高い環境で学習に専念したいと考える受験生にとって、大原が提供する制度的安定性とハイブリッドなサポートネットワークは、価格以上の価値を持つ可能性があります。

あなたに最適な講座はどれ?価格vs投資価値で考える選び方

あなたの学習スタイルに最適な選択は?

これまでの5つの視点からの分析を総合すると、「資格の大原は高い」という評判は、現在の主力オンライン講座の実態を正確に反映していないことが明らかになりました。

  1. 絶対価格:大原は高価格帯ではなく、独自の価値を持つ「プレミアム・ミドルレンジ」に位置する。
  2. 総額価値:受講料には自習室利用権などの物理的資産が含まれ、総コストで見ると競争力が高い。
  3. 学習資産:トップ講師と優れたアプリという、合格の確度を高める高品質な資産への投資である。
  4. サポート:大手伝統校ならではの制度的安定性とハイブリッドなサポートが「安心感」を提供する。

最終的にどの講座を選ぶべきかは、個々の受験生が何を最も重視するかによって決まります。

  • 価格重視の学習者へ
    学習コストを何よりも優先し、完全な自己管理のもとで柔軟に学びたいのであれば、スタディングが最適な選択肢となるでしょう。その圧倒的な低価格は最大の魅力です。
  • 実績重視の学習者へ
    「合格すれば全額返金」という強力な金銭的インセンティブ(動機付け)が最大のモチベーションになるのであれば、アガルートがその挑戦心を掻き立てるでしょう。業界トップクラスの合格実績も、その自信の表れです。
  • 体系化された信頼性を求める学習者へ
    しかし、もし求めているものが、派手な特典よりも、長年の実績に裏打ちされた確実な学習システム、最高の講師による分かりやすい指導、そして学習を支える優れたツールと環境であるならば、資格の大原への投資は最も賢明な選択です。それは単なる「費用」ではなく、あなたの貴重な時間を無駄にせず、一発合格の可能性を最大化するための「投資」なのです。

「高い」という評判に惑わされず、その価格に含まれる本質的な価値を見極めることが重要です。合格への最も確実な一歩を、資格の大原で踏み出してみてはいかがでしょうか。

[→ 資格の大原 公式サイトで講座の詳細を確認する]