はじめに:LEC25万円の価値を客観的なデータで検証する
行政書士試験の合格を目指すとき、LEC東京リーガルマインドの「パーフェクトコース」は約25万円という価格設定です。この金額を見て「本当に価値がある投資なのか?それとも高すぎるのでは?」と疑問に思うのは当然のことでしょう。特に、数万円台で受講できる通信講座や、さらに安い独学という選択肢がある中で、25万円という金額は大きな決断を迫ります。
この記事はLECの宣伝ではありません。純粋な財務分析です。約25万円という講座費用を単なる「出費」ではなく、専門家としてのキャリアへの「戦略的投資」として捉えます。そして、公開されている客観的なデータを使って、その投資がもたらす潜在的なROI(投資対効果)を算出し、「より安い選択肢」に隠れているコストと比較検討します。
読者の最大の懸念である「価格」という問題に正面から向き合い、その投資が最終的に最も合理的で経済的に賢明な判断となりうるのか。本稿は、その問いに明確な答えを出すための論理的なフレームワークを提供します。
25万円で何が得られる?LECパーフェクトコースの全容
費用対効果を分析する前に、まず「25万円」という投資が具体的に何に対する対価なのかを分解する必要があります。LECのパーフェクトコースは、単なる教材や講義動画の寄せ集めではありません。合格という唯一の目標達成のために、すべての要素が有機的に連携する、計算し尽くされた「システム」へのアクセス権なのです。
41年の実績が生み出す「合格の確実性」
LECは41年以上にわたり、行政書士試験の指導を行ってきました。この数字が意味するのは、単なる伝統の長さではありません。40年以上にわたる試験問題のトレンド分析、法改正への対応、カリキュラムの最適化、そして何より膨大な受講生の学習データの蓄積を意味します。
この歴史とデータに基づき、LECのパーフェクトコースは驚異的な合格実績を出しています。例えば、全国平均を大幅に上回る48.86%という合格実績は、このシステムが単なる精神論ではなく、統計的に裏付けられた優位性を持つことの何よりの証明です。この投資は、運や偶然といった不確定要素を極限まで排除し、「合格の予測可能性」を手に入れるための費用なのです。
200時間超の講義と横溝講師による徹底指導
パーフェクトコースは、200時間を超える圧倒的なボリュームの講義で構成されています。これは、試験範囲を網羅的かつ深く理解するために必要な時間を確保する設計です。そして、その価値を決定づけるのが、カリスマ講師である横溝慎一郎氏の存在です。
彼は単なる「教える人」ではありません。長年の指導経験から合格の要点を熟知し、受講生を最後まで導く情熱と指導技術を持つ専門家です。彼の講義を受けられるということは、独学では決して得られない「人的資本」への投資に他なりません。これは、書籍からは学べない合格への最短ルートを示してくれるガイドを雇うための費用と考えることができます。
回数無制限の質問制度で学習の不安を解消
法律初学者が学習を進める上で最大の障害となるのが、「分からない点が出てきたときに先に進めなくなる」ことです。独学の場合、この問題の解決には多大な時間と労力を要し、最悪の場合、挫折の直接的な原因となります。
LECのパーフェクトコースには、回数無制限の質問制度「教えてチューター」が用意されています。これは、学習中に生じた疑問をいつでも専門のチューターに質問し、解決できるという強力なサポート体制です。この制度は、学習の停滞を防ぎ、モチベーションを維持するための「セーフティネット」として機能します。この投資は、学習上のあらゆるリスクに対する保険料と捉えることができるでしょう。
合格に必要なすべてが揃う完全パッケージ
パーフェクトコースの料金には、テキスト、六法、問題集、過去問、そして全国規模で実施される複数回の模試まで、合格に必要なすべてのツールが含まれています。これにより、受講生は「どの教材を選べばよいか」という迷いから解放され、学習そのものに集中できます。
特に、全国公開模試は、数千人規模の受験者の中での自分の立ち位置を客観的に把握し、本番までの戦略を練る上で不可欠なデータを提供します。これらすべてが統合された「完全なエコシステム」に身を置くことで、学習効果は最大化されます。25万円という価格は、この最適化された学習環境全体へのエントリーフィーなのです。
独学の隠れたコスト:不合格がもたらす本当の損失
LECの講座費用を評価する際、多くの人が陥る誤りは、その金額だけを見て「高い」と判断してしまうことです。しかし、本当のリスクは講座に投資することではなく、投資をせずに挑戦し「不合格になる」ことの方にあります。ここでは、より安く見える「独学」という選択肢が、もし失敗した場合にどれほどの金銭的損失をもたらすかを具体的に数値化していきます。
1年目:独学でかかる初期費用
まず、独学で行政書士試験に挑戦する場合の初期費用を計算してみましょう。一般的に、基本テキスト、科目別問題集、六法、そして予備校が実施する模試などを揃えると、約3万円から4万円の費用がかかるとされています。これに、行政書士試験の受験手数料10,400円が加わります。
- 教材費:約40,000円
- 受験手数料:10,400円
- 1年目の合計費用:約50,400円
この時点では、LECの講座費用と比較して約20万円も安く、非常に魅力的な選択肢に見えます。しかし、これはあくまで「1年で合格した場合」の計算です。
2年目:不合格による追加コスト
もし1年目の試験で不合格となった場合、2年目の挑戦にはさらなる「直接コスト」が発生します。まず、再び受験手数料の10,400円が必要です。さらに、法律は毎年改正されるため、前年度の教材をそのまま使うことはリスクが伴います。最新の法改正に対応したテキストや問題集を買い直す必要があり、これに約2万円から3万円の追加費用がかかると想定されます。
- 再受験手数料:10,400円
- 追加教材費:約30,000円
- 2年目にかかる追加費用:約40,400円
これにより、2年間の累計コストは約9万円に膨れ上がります。しかし、これはまだ損失全体の氷山の一角に過ぎません。
見えない損失:1年遅れがもたらす機会損失
独学失敗における最大の金銭的損失は、目に見える出費ではなく、目に見えない「機会損失」です。不合格によって失われた1年間は、単に学習期間が1年延びただけではありません。それは、行政書士として収入を得られたはずの1年間を丸ごと失ったことを意味します。
行政書士の年収は働き方によって大きく異なりますが、各種調査によると、平均年収は約550万円から600万円とされています。一方で、事務所に勤務する場合の初年度年収は250万円から300万円程度というデータも存在します。
ここでは、最も保守的な数字を用いて計算してみましょう。仮に、合格後に月収25万円の事務所に就職できたと仮定します。その場合、1年間のキャリア開始の遅れがもたらす機会損失は、以下のようになります。
月収25万円 × 12ヶ月 = 300万円
この300万円という金額こそが、不合格がもたらす本当の金銭的コストです。これは、LECパーフェクトコースの受講料の10倍以上の金額です。
さらに深刻なのは、この損失が単年度で終わらない可能性です。行政書士としての収入は、経験年数や専門性、顧客との信頼関係によって大きく左右されます。1年早くキャリアをスタートさせた同期は、その1年間で実務経験を積み、専門性を高め、顧客基盤を築き始めています。
この差は、キャリア全体における生涯年収の差として、時間とともに拡大していく可能性すらあるのです。この観点から見れば、「1年を失う」というリスクは、単なる300万円の損失ではなく、将来の収益成長機会の損失という、より深刻な意味合いを持ちます。
投資対効果の結論:LEC25万円が最も賢い選択である理由
これまでの分析を基に、2つのシナリオにおける金銭的な結果を直接比較し、どちらがより合理的な財務判断であるかを結論付けます。
- シナリオA:LECパーフェクトコースに約25万円を投資し、1年で一発合格する
- シナリオB:独学で挑戦し、1年目は不合格、2年目に合格する
この2つのシナリオを、2年間のスパンで見た場合の純損益で比較したのが以下の表です。
| 項目 | シナリオA:LECで一発合格 | シナリオB:独学で1年目不合格 | 
|---|---|---|
| 初年度の投資額 | -245,000円(講座費用) | -50,400円(教材費約40,000円 + 受験料10,400円) | 
| 2年目の追加投資額 | 0円 | -40,400円(追加教材費約30,000円 + 再受験料10,400円) | 
| 2年目終了時点の総投資額 | -245,000円 | -90,800円 | 
| 2年目に得られる行政書士としての収入 | +3,000,000円(保守的な初年度年収の推定) | 0円(まだ受験生) | 
| 2年目終了時点での純損益 | +2,755,000円 | -90,800円 | 
| 最終的な経済的インパクトの差 | – | シナリオAはBより約284万円有利 | 
この表が示す結果は、極めて明確です。
初期投資額だけを見れば、シナリオB(独学)の方が約20万円安く見えます。しかし、2年という期間で見た場合、シナリオA(LEC)は、講座費用を差し引いても約275万円のプラスの経済状態を生み出しています。一方で、シナリオB(独学)は、約9万円のマイナスという結果に終わっています。
両者の差額は、実に約284万円。これは、LECの講座費用を「高い」と感じて節約しようとした結果、逆にその10倍以上の経済的損失を被る可能性を示唆しています。
この分析に基づけば、LECのパーフェクトコースへの約25万円の投資は、単なる出費ではなく、将来の数百万単位の損失を回避するための、極めて合理的なリスク管理費用であると結論付けられます。
まとめ:LECへの投資は「時間を買う」合理的な自己投資
本稿の分析が示した通り、LECパーフェクトコースの約25万円という価格は、その内実を理解し、他の選択肢が内包するリスクを数値化することで、その見え方が大きく変わります。
この投資は、単に教材や講義を購入するためのものではありません。それは、数百万単位の潜在的損失を回避するための「保険」であり、自身のキャリアを1年早くスタートさせるための「時間」を購入する行為です。不確実性に満ちた試験合格までの道のりにおいて、「確実性」を手に入れるための最も直接的な手段なのです。
データは明確に示しています。初期費用を抑えるために独学という「ギャンブル」を選択することは、結果的にキャリアのスタートを遅らせ、数百万円規模の機会損失を生むという、極めて高いリスクを伴う財務判断です。一方で、LECのシステムに投資することは、そのリスクを大幅に低減し、1年後のリターンを最大化するための、計算された「投資」と言えます。
特に、「絶対に一発で合格したい」「失敗は選択肢にない」と考える真剣な学習者にとって、この投資は目標達成のための最も賢明で、最も確実な道筋となるでしょう。
LECパーフェクトコースが提供する価値の金銭的な合理性をご理解いただけた今、次のステップは、その具体的な講義内容、指導スタイル、サポート体制が、自身の学習スタイルに本当に合っているかを見極めることです。以下のリンクから、コースの全貌を網羅した詳細なレビュー記事をご覧ください。
→【2025年版】LEC行政書士パーフェクトコースは買うべきか?料金・評判・実績を専門家が徹底レビュー
 

 ファストパス管理人
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