行政書士試験の合格を目指すうえで、「資格の学校TAC」は間違いなく有力な選択肢の一つです。その圧倒的な合格実績と長年の指導ノウハウは、多くの受験生から高い支持を得ています。しかし、いざ公式サイトを開いても「どのコースを選べばいいのか分からない」と感じた方も多いのではないでしょうか。

TACの講座には、プレミアム本科生Plus・プレミアム本科生・ベーシック本科生、そして学習経験者向けの答練本科生シリーズなど、多彩なラインナップがあります。その内容は非常に充実しており、まるで迷宮（ラビリンス）のように複雑です。

公式サイトは販売促進を目的として設計されているため、あなたの状況に合わせた客観的な提案まではしてくれません。一方、一般的な比較サイトは表面的な情報が多く、TACの理念や各コースの戦略的な違いまでは掘り下げられていません。

このガイドは、そんな情報の隙間を埋める「唯一の独立系ガイド」です。

私たちの目的は、TAC講座を紹介することではなく、TACという巨大な教育システムを「解読」することです。あなたが時間や費用を無駄にすることなく、自信を持って最適なコースを選べるよう、徹底的かつ客観的に分析しています。

このガイドを読み終える頃には、自分の学習経験・スタイル・予算・意欲に最も適したTAC講座を明確に理解できるでしょう。
さあ、一緒にあなたに最適な合格ルートを見つけましょう。

一目でわかる！あなたのためのTAC最適コース診断

まずは、TAC行政書士講座の主要コースがどのような選択肢なのか、全体像を把握しましょう。
以下の比較表では、各コースの中心的な特徴をまとめています。これを確認するだけで、自分に最も合いそうなコースのおおよその方向性が見えてくるはずです。

表1：TAC行政書士講座 主要コース比較

コース名	主な対象者	学習ペースと期間	カリキュラムの核	料金目安（通常）	詳細レビュー
プレミアム本科生Plus	法律知識ゼロから始めたい初学者	じっくり万全（約1年）	基礎マスター＋完全講義＋答練	約264,000円	このコースの究極レビューを読む
プレミアム本科生	基礎からしっかり学びたい初学者・再挑戦者	標準（約10ヶ月）	主要講義＋答練＋実力完成講義	約264,000円	このコースの究極レビューを読む
ベーシック本科生	春から短期集中で合格を目指す方	短期集中（約5～7ヶ月）	主要講義＋答練（凝縮版）	約198,000円	このコースの究極レビューを読む
答練本科生 A/B	合格まであと一歩の受験経験者	問題演習特化（期間は選択制）	スーパー答練（問題演習）	約88,000円～143,000円	–

上記の表を参考に、自分の現在の学習レベルや生活リズムに合うコースをイメージしてみてください。
この後の章では、それぞれの学習レベルに合わせた最適なコース選びを詳しく解説していきます。

あなたの現在地が、進むべき道を決定する：学習レベル別コース徹底分析

TACの講座選びで最も重要なのは、あなたの「現在地」、つまり現在の学習レベルを正確に把握することです。
TACでは、受講者の学習段階に応じて最適化された3つの戦略的ルートを用意しています。

初学者向け：揺るぎない合格の土台を築くための2つの選択肢

法律の学習がまったく初めての方、または基礎から学び直したい方には、TACが誇る2つのフラッグシップコースがあります。
それが「プレミアム本科生Plus」と「プレミアム本科生」です。どちらも多くの合格者を輩出してきた王道コースであり、TACの教育ノウハウが凝縮されています。

プレミアム本科生Plus vs プレミアム本科生：唯一の違いは「基礎マスター」

この2つのコースの違いは非常にシンプルです。
それは入門講義「基礎マスター（全7回）」が含まれているかどうか、ただそれだけです。

プレミアム本科生Plusを選ぶべき人：
法律用語（例：「善意」「悪意」など）に馴染みがなく、大学でも法学を学んでいなかった方に最適です。
基礎マスターでは、法律学習の「お作法」や考え方を身につけられるため、スムーズに本格講義へ移行できます。

プレミアム本科生を選ぶべき人：
独学で少し勉強した経験がある方、あるいは大学で法律関連の講義を受けたことがある方はこちらがおすすめです。
基礎マスターを省き、すぐに基本講義からスタートできます。

どちらのコースにも、「基本講義」「科目別答練」「実力完成講義」「記述対策講義」など、合格に必要な全要素が含まれています。
TACが公表するデータによれば、本科生カリキュラムを修了し一定基準を満たした受講生の合格率は66.2%に達し、これは本試験全体の合格率の5倍以上という驚異的な数値です。
この実績が、TACの教育の質を何よりも雄弁に証明しています。

短期集中向け：春からでも間に合う、凝縮された合格ルート

「学習を始めるのが春になった」「短期集中で合格を目指したい」――そんな方に最適なのが「ベーシック本科生」です。
このコースは、プレミアム本科生の核となる内容を凝縮し、約5～7ヶ月という短期間で合格レベルに到達することを目指します。

理想的な受講者像：
春から学習を開始する方、または短期集中の学習が得意な方。
プレミアム本科生が「フルマラソン」なら、ベーシック本科生は「ハーフマラソン」といえます。ペースは速いものの、合格に必要な要素はすべて詰まっています。

カリキュラム構成：
中心は「基本講義」と「科目別答練」。プレミアム本科生に含まれる「実力完成講義」などを省略し、重要部分に集中します。
小池昌三講師など、分かりやすい解説で定評のある講師が担当することも多く、初学者でも安心して学べます。

さらに価格は約198,000円と、プレミアム本科生（約264,000円）よりも経済的です。短期間で成果を出したい方におすすめです。

受験経験者向け：その「あと一歩」を「合格」に変える最終兵器

「基礎知識はあるのに、点数が伸び悩む」――そんな方のために設計されたのが「答練本科生シリーズ」です。
このコースは初学者向けではなく、知識のインプットではなく徹底的なアウトプット（問題演習）に特化しています。

答練本科生A（全38回）：
早期からスタートし、多くの演習をこなしたい方向け。
TACのオリジナル問題「スーパー答練」の1stステージから参加でき、長期的に実戦力を鍛えられます。

答練本科生B（全22回）：
独学や他校で学習経験のある方が、試験直前期にラストスパートをかけるのに適しています。
「スーパー答練」の2ndステージから参加し、効率的に得点力を伸ばせます。

特に注目すべきは、提出答案に対して提供される「個人別成績表」です。
全国順位や正答率、弱点分野が明確になり、残り期間で何を重点的に学習すべきかが一目で分かります。
無駄を省き、戦略的に弱点を克服できる――これこそが、答練本科生シリーズの最大の価値です。

講座選びを進める中で、多くの受験生が感じる疑問があります。
それは「TACは他の予備校より価格が高いのではないか？」という点です。

結論から言えば、TACは確かに市場の中でプレミアム価格帯に位置します。
しかしその価格は、単なる講義映像や教材の対価ではありません。
それは、あなたが合格するまでの道のりで直面するあらゆる不安や障害を取り除くための「包括的なサポートシステム」への投資なのです。

安価なオンライン講座のように「教材を渡して、あとは自己責任で頑張る」というスタイルとは根本的に思想が異なります。
TACは、受講生が途中で挫折しないよう、学習・精神・環境の三方向から徹底的に支援する仕組みを整えています。

最高の指導者：TACが誇る実力派講師陣

TACの価値を支える最大の要素は、何よりも講師陣の質にあります。
特に「みんなが欲しかった！」シリーズの著者として知られる神田理生講師や、丁寧な指導で定評のある小池昌三講師など、業界屈指の実力派がそろっています。

彼らは単なる「知識の伝達者」ではありません。
長年の指導経験を通じて、受験生がどこでつまずき、どのような壁に直面するのかを熟知しています。
そのため、講義の中で「受験生の不安を解消しながら理解を深める」構成が徹底されており、安心して学習を継続できるのです。

優れた講師の存在は、単に学習効率を高めるだけでなく、モチベーション維持の面でも大きな力となります。
TACでは「講師が最後まで伴走してくれる」という信頼感が、受講生にとって何よりの支えになっています。

究極のセーフティネット：TACの万全なサポート体制

TACの価格を正当化するもう一つの要素が、他を圧倒するサポート体制です。
以下の表は、コース別に利用できる主なサポート機能を比較したものです。

表2：TACサポート制度比較

サポート機能	プレミアム本科生（Plus含む）	その他本科生（ベーシック等）	パック生
質問メール	80回まで	50回まで	10回まで
クラス振替出席	利用可	利用可	利用不可
クラス重複出席	利用可（基本講義1回まで）	利用可（基本講義1回まで）	利用不可
デジタル添削	利用可	利用可	利用可
オンラインホームルーム	利用可	利用可	利用不可
スクーリング（通信生向け）	利用可（20回まで）	利用可（20回まで）	利用不可
オンライン自習室	利用可	利用可	利用可

この表からも分かるように、プレミアム本科生は他コースに比べて圧倒的な支援を受けられます。

質問メール最大80回：
これは、学習期間中ほぼ毎週1回以上、専門講師に直接質問できる権利です。
独学なら数時間かかる疑問も、TACでは数日で解決でき、時間の無駄を大幅に減らせます。

クラス振替・重複出席制度：
急な仕事や体調不良で欠席しても、無料で別クラスに振替可能。
さらに、一度では理解しきれなかった講義を再受講できる「重複出席制度」により、学習の定着を確実にします。

デジタル添削：
独学で最も難しいとされる記述式問題に対し、講師から個別にフィードバックを受けられます。
「なぜ点が取れなかったのか」「どう改善すれば得点できるのか」を具体的に指導してもらえるため、合格に直結する力が身につきます。

これらのサポートは、単なる付加機能ではなく、受験生が挫折せず学習を継続するための戦略的システムです。
TACの価格は「挫折しないための環境」と「合格可能性を最大化する仕組み」への投資だといえるでしょう。

TACの講座はプレミアム価格帯に位置しますが、定価で申し込む必要はほとんどありません。
TACでは、意欲ある受験生を支援するために多様な割引制度を設けています。
これらを上手に活用すれば、経済的負担を大幅に軽減することができます。

ここでは、代表的な割引制度を一つずつ解説します。

早割キャンペーン（最重要）

TACが提供する割引制度の中でも最も割引額が大きいのが「早割キャンペーン」です。
主に翌年の合格を目指すプレミアム本科生向けに、夏から秋にかけて実施されます。
割引額は最大77,000円に達することもあり、これを利用するかどうかで総費用は大きく変わります。
申込みを検討している場合は、例年10月末頃までのキャンペーン期間を絶対に逃さないようにしましょう。

受験生応援割キャンペーン

こちらは主に受験経験者を対象とした早期申込割引です。
早割キャンペーンと並行して行われることが多く、再挑戦を決意した受験生を強力にサポートします。

受験経験者割引・再受講割引

過去に行政書士試験を受験した方（受験票の提示などで確認）や、
過去にTACの本科生コースを受講していた方を対象にした制度です。
これまでの努力を評価し、再挑戦を支援する目的で設定されています。

U30割引キャンペーン

申し込み時点で30歳未満の方を対象とした若者支援制度です。
早い段階での資格取得を後押しする目的があり、キャリア形成を意識する方に適しています。

他資格合格者割引キャンペーン

宅地建物取引士（宅建士）、司法書士、社会保険労務士（社労士）など、
TACが指定する他の難関資格の合格者を対象とした割引制度です。
すでに法律分野の学習経験がある受験生を評価し、優遇される仕組みとなっています。

入会金10,000円免除コード

最も手軽に利用できる制度です。
TACが無料公開している「講座説明会」や「体験講義」をオンラインで視聴し、アンケートに回答するだけで、
入会金10,000円が免除されるコードを入手できます。
申し込み前に必ずチェックしておきたい基本テクニックです。

これらの制度を事前に把握し、計画的に申し込むことで、TACの質の高い教育をより賢い価格で受講できます。
特に早割と入会金免除は併用可能なことが多いため、活用次第で数万円単位の差が生まれることもあります。
TACを選ぶなら、情報戦で差をつけるのが合格への第一歩です。

このガイドは「独立系」として、TACの良い面だけでなく、懸念点についても正直に触れます。
どんなに優れた予備校であっても、完璧なものは存在しません。
納得して受講を決めるためには、光と影の両方を知っておく必要があります。

懸念点1：「やはり、TACは高すぎるのではないか？」

確かに、TACの受講料はスタディングやフォーサイトなど、
より安価なオンライン型予備校と比較すると高額です。
この差をどう考えるかは、「何を最優先するか」によって答えが変わります。

もし最優先事項が「できるだけ安く学ぶこと」であれば、
他のオンライン予備校の方が適しているかもしれません。
しかし、最優先事項が「次の試験で確実に合格したい」であれば、
TACの充実したサポート体制・実績あるカリキュラム・質の高い講師陣への投資は、
極めて合理的な選択といえます。

TACの受講料は、単なる「支出」ではなく、
時間という最も貴重な資源を無駄にしないための「合格保険」なのです。

懸念点2：「テキストが白黒（2色刷り）で見にくいのでは？」

他校の中には、フルカラーで図解を多用した教材を売りにするところもあります。
それに比べると、TACの基本テキストは黒と赤の2色刷りが中心で、
地味に感じる方もいるかもしれません。

しかし、これは明確な学習設計思想に基づいた選択です。
フルカラー教材は一見分かりやすいように見えますが、
重要箇所が出版社によって決められてしまうため、受け身の学習になりがちです。
一方、TACの2色刷り教材は、講義を受けながら自分でマーカーやメモを加え、
「自分専用の最強テキスト」を作り上げることを前提としています。
この“能動的な書き込み”こそが、理解の深化と記憶の定着につながるのです。

TACの教材は、派手さよりも「合格の再現性」を重視する設計といえます。

懸念点3：「ネットの悪い評判や口コミが気になる」

「講義が合わなかった」「教材のボリュームが多すぎる」といった口コミを見かけることがあります。
ただし、これらの意見を評価する際には、背景を理解することが大切です。

講義スタイルについて：
講師との相性は非常に主観的です。
だからこそTACでは、神田講師・小池講師など複数の人気講師が在籍し、
申し込み前に「体験Web受講」で実際の講義を無料視聴できる仕組みを整えています。
これにより、ミスマッチのリスクを大幅に減らせます。

教材ボリュームについて：
TACの教材が網羅的で量が多いのは事実ですが、
それは本試験で想定される全パターンに対応するための設計です。
むしろ、その徹底的な網羅性が「TACで学べば安心できる」という信頼の根拠でもあります。

批判的な口コミの多くは、裏を返せば「学習量の豊富さ」や「内容の本格さ」の証でもあります。
大切なのは、短期的な感想に左右されず、自分に合うかどうかを体験で見極めることです。

これらの懸念点を踏まえても、TACが多くの受験生から選ばれ続けている理由は明確です。
それは、合格率・講師力・学習環境の3要素において、依然として業界トップクラスの水準を維持しているからです。

ここまで、TAC行政書士講座という複雑な「学習の迷宮」を、地図を描くように解説してきました。
もうあなたは、どのコースを選べばよいのか分からず立ち止まることはないでしょう。
TACがあらゆる学習段階に応じて最適なルートを用意していることが、ここまでの内容で明らかになったはずです。

最後に、あなたの現在地に応じた最適ルートを整理します。

• 法律知識ゼロから、1年後の合格を目指すなら → 「プレミアム本科生Plus」
  法律の基礎から丁寧に学びたい初学者に最適。合格までの最短かつ確実な道です。
• 春から学習を始め、短期間で勝負したいなら → 「ベーシック本科生」
  限られた期間で集中して学びたい方に向く、効率重視型のコースです。
• 一度受験経験があり、あと一歩で合格を逃したなら → 「答練本科生」
  問題演習を通じて得点力を磨き上げる、最終仕上げ用の講座です。

あなたは今、自分だけの「学習地図」を手にしています。
残された最後のステップは、その地図に従って一歩を踏み出すことです。
迷うよりも、動くことが合格への第一歩になります。

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