アガルート vs スタディング：本気で合格を目指す人が選ぶべき講座は？

あなたの「合格」は、節約か投資か

行政書士試験の通信講座選びは、学習開始時の最重要判断です。中でも「アガルート」と「スタディング」は、はっきりした価格差ゆえに比較の軸になりやすい講座です。

一方は、手厚い伴走と実績を掲げるプレミアム型のアガルート。もう一方は、スマホ完結・低価格で始めやすいスタディング。

この二者択一は「高価で確実性」か「安価で手軽さ」かという単純な話に見えます。とはいえ、「今年こそ必ず合格する」と決めているなら、見るべきは別の一点です。

これは『講座選び』ではなく、『未来への投資判断』です。

限られた1年と労力を、合格確度の高い選択肢へ「投資」するのか。あるいは学習の「機会」に最低限の「費用」を払うのか。

本記事は、価格や機能の羅列では終わりません。合否に直結する唯一の評価軸である「合格の確実性」を中心に両講座の価値を検証し、データと論理にもとづく最も合理的な結論を提示します。

結論ファースト：目的別に選ぶ最適解

詳細に入る前に結論を共有します。アガルートとスタディングは優劣の争いではなく、「誰のために何を達成させる設計か」が根本から異なる講座です。以下の比較だけで、自分が歩むべき道がおおよそ見えてきます。

比較項目	アガルート（結果に投資）	スタディング（手軽な機会）
合格実績（合格率）	56.11％（令和5年度）。全国平均の約4.01倍という実績です。	合格者数は公表、合格率は非公開です。
講義の質・網羅性	熱量の高い講義。試験範囲カバー率95.7％の網羅性です。	スマホ特化の短時間講義。内容のばらつきという口コミもあります。
サポート体制	質問対応など伴走型のフォローあり（講座により異なります）。	Q&Aはチケット制で有料・回数制限あり。自己解決前提の設計です。
受講料（投資額）	約20万〜30万円台（入門総合カリキュラム想定です）。	約3万〜7万円台（コースにより異なります）。
合格特典（投資回収）	全額返金またはお祝い金5万円。達成時は実質負担が小さくなります。	お祝い金1万円という設定です。

ご覧のとおり、両者は「価格」だけでなく、合格に向けたアプローチや結果へのコミットメントが大きく異なります。要するに、アガルートは結果に対して投資するモデルであり、スタディングは学習機会に対して費用を払うモデルです。ここから先は、この違いが合否にどう響くのかを掘り下げます。

「価格」という最大の論点：なぜアガルートは高く、スタディングは安いのか？

受講生が最初に注目するのは、この2つの講座の大きな価格差です。
しかし、この違いは単なるブランド料ではありません。「合格」への考え方とビジネスモデルの差が、価格にそのまま表れています。

アガルートの価格設定：合格率56.11%を生む「オールインワン投資」

アガルートの入門総合カリキュラムは20万〜30万円台と高額ですが、それには理由があります。
全国平均合格率13.98%という難関試験で、56.11%という驚異的な合格率を出すために必要なあらゆるリソースを一つにまとめているからです。

この投資額には以下の要素が含まれます。

トップ講師への報酬
豊村慶太講師をはじめ、難解な法律をわかりやすく伝える「カリスマ講師」を確保するには、それ相応のコストが必要です。
徹底した試験分析と教材開発
「教材が多い」という声は、逆に言えば試験範囲95.7%をカバーしている証拠です。
法改正対応や過去問分析に基づくフルカラーテキストは膨大な開発費によって支えられています。
サポート体制維持費
挫折を防ぐための質問対応やシステム運営には、専門スタッフの人件費やシステム投資が不可欠です。
全額返金制度の裏付け
合格すれば受講料が全額返金される制度は、講座の品質への絶対的な自信の表れです。
この制度を運用するための費用も価格に含まれています。

アガルートの価格は、合格に必要な「最高の環境」を丸ごと提供するオールインワン投資です。

スタディングの価格設定：学習の「機会」を提供するミニマムモデル

一方、スタディングが3万〜7万円台という低価格を実現できるのは、無駄を徹底的に省く設計にあります。
学習の核となる講義動画とWebテキストに機能を絞り込み、その他はオプション化することでコストを最小化しているのです。

主な戦略は次の通りです。

スキマ時間特化型講義
通勤など短時間で学べるよう講義を細分化。大規模な撮影や複雑な編集が不要となり制作費を削減できます。
デジタル完結教材
教材はWebテキストが基本で、冊子は別売り。印刷や配送、在庫管理のコストをカットしています。
サポートは有料オプション
質問はチケット制（上位コース付属 or 有料）。サポート不要な人はその分安く受講できます。
大規模集客によるコスト分散
多くの受講生を集めることで、一人あたりの開発費を抑えています。

スタディングは、学習の「機会」を圧倒的な低価格で提供する革新的なモデルです。
ただし、合格までの管理や工夫は受講生自身に委ねる前提で成り立っています。

価格差が示すもの

価格は単なる優劣ではなく、両者のサービス設計の違いを映す鏡です。
アガルートは「合格までのフルサポート」を商品化し、スタディングは「学習ツールそのもの」を提供しています。

合格可能性の天秤：公開された「56.11%」 vs. 非公開の「？」

行政書士試験に本気で挑むなら、講座選びの判断基準はただ一つ。
「その講座を受講した結果、自分の合格確率がどれだけ上がるか」です。
この視点でアガルートとスタディングを比較すると、明確な違いが浮かび上がります。

数字が語る信頼性：アガルート合格率56.11%の衝撃

アガルートが公表している令和5年度の合格率は 56.11%。
同年度の試験全体の平均合格率は 13.98% です。

つまり、アガルート受講生の合格率は全国平均の約4倍にあたります。

これをイメージしてみましょう。
100人の受験生がいる部屋で合格できるのは、全国平均では14人。
しかし、アガルート受講生が100人集まれば、56人が合格する計算です。

あなたはどちらの部屋で学びたいでしょうか？

この数字は単なる宣伝ではありません。
質の高い講師、網羅的な教材、そして手厚いサポートに対する投資が、
「合格」という明確な結果を生み出している証拠です。

アガルート最大の強みは、この「データで示された信頼性」にあります。
だからこそ、高額な受講料が合理的な投資として成立するのです。

非公開の合格率が示すもの：スタディングのリスク

一方、スタディングは合格者数のみを公表し、合格率は非公開としています。
これは講座選びにおいて大きな意味を持ちます。

考えてみてください。
もし驚くほど高い合格率を誇っているなら、その事実を隠す理由はあるでしょうか？
答えはおそらく「NO」です。

合格率を明らかにしないということは、公表するほどの結果が出ていない可能性を示唆します。
もちろん、スタディングでも合格者は出ています。
しかし、自分の努力と時間を投じた結果がどれほど報われるかを数値で判断できないのは大きな問題です。

これは、言わば「リターンが不明な金融商品」に投資するようなもの。
本気で合格を目指すなら、これは避けたいリスクです。

本記事が重視するのは「投資失敗リスクをどう回避するか」です。

合格率というリターンが明示されていない講座は、
本気の受験生にとって極めて大きな不確定要素を抱えることになります。

最終的に、これは「数字で裏付けられた信頼性」と
「見えないままの可能性」のどちらを選ぶかという問いに他なりません。

学習体験の質的比較：合格を左右する3つの要素

合格率56.11%という明確な数字と、合格率が「非公開」という事実。
この差は、日々の学習を支える3つの要素——講師・教材・サポート——の質の違いから生まれます。

講師：心を動かすカリスマ vs. 情報伝達に特化した効率型

受験勉強は長期戦です。だからこそ、講師の質はモチベーションと理解度を大きく左右します。

アガルート
合格者の多くが「まるで目の前で授業を受けているよう」と評するほど、臨場感のある講義が特徴です。
特に豊村慶太講師をはじめとするカリスマ講師陣は、知識を伝えるだけでなく、その熱量で受講生を惹きつけ、合格まで走り抜く精神的支柱となります。

スタディング
口コミでは「淡々としている」「抑揚がない」「スライドを読んでいるだけ」という声が見られます。
スキマ時間に効率よく学ぶことを前提とした設計のため、情報伝達には適していても、ゼロから法律を理解して壁を乗り越える“推進力”としては物足りなさを感じる可能性があります。

教材：網羅性で安心感を生む vs. コンパクトで効率的

教材の設計思想にも両者の違いがはっきり表れています。

アガルート
「教材が多い」という声が出るほどのボリュームですが、これは試験範囲の95.7%をカバーする徹底した網羅性の証です。
「知らない問題が出る」という最悪の事態を防ぐための戦略であり、受講生に「これさえやれば大丈夫」という安心感を与えます。

スタディング
スマホ学習を前提としたWebテキストが中心で、知識をコンパクトにまとめています。
ただし一部の受講生からは「解説が物足りず、市販の参考書を追加購入した」という声もあり、手軽さの反面、情報量や解説の丁寧さでは一歩譲る場面があると言えます。

サポート体制：伴走型で迷わせない vs. 自己解決が基本

勉強中に壁にぶつかった時、その後を決定づけるのがサポートです。

アガルート
受講生を合格まで導く“伴走者”としてサポートを重視。
講師に直接質問できる制度（回数制限あり）があり、疑問をすぐ解消して学習を停滞させません。

スタディング
サポートは学習効率化のためのオプション扱いです。
質問はチケット制で、上位コースに付属か別途購入となります。
基本は「他の受講生のQ&Aを閲覧して自己解決」が推奨されており、自己管理能力が高い学習者向けの設計です。
しかし、この「質問のしにくさ」が、特に初学者にとって挫折の原因となる可能性があります。

アガルートは「伴走型の学習環境」を提供し、スタディングは「自己管理型のツール」を提供する——
この違いが、合格率の差として表れているのです。