この記事では2025年(令和7年度)の行政書士試験を受験予定の方に向けて、試験日や申込方法、受験料、会場情報など、試験準備に欠かせない基本事項を網羅的に解説します。

この記事は、試験の実施主体である「一般財団法人 行政書士試験研究センター」が公表する一次情報に基づいて作成しており、信頼性の高い内容をお届けします。

「いつ申し込めばいいのか?」「会場はどうやって決まるのか?」など、初めての受験で生じやすい疑問を一つずつクリアにし、安心して本番に臨むための基礎知識をまとめました。

目次

行政書士試験 2025年(令和7年度)スケジュール早見表

まずは、2025年度試験に関する最重要日程を一覧表にまとめました。
この表を確認するだけで、受験準備に必要な流れを大まかにつかめます。詳細は後続の各セクションで丁寧に解説します。

項目日程・内容
試験の公示令和7年7月7日(月)
試験日令和7年11月9日(日)
試験時間午後1時00分~午後4時00分(3時間)
郵送申込期間令和7年7月22日(火)~8月18日(月)
インターネット申込期間令和7年7月22日(火)午前9時 ~ 8月25日(月)午後5時
受験手数料10,400円(※申込方法により別途手数料が発生)
合格発表日令和8年1月28日(水)午前9時(予定)

このスケジュールをもとに、以下のセクションでは各項目の詳細(申込方法・支払手段・会場選択など)を具体的に解説していきます。

「申込みを忘れた」「会場が選べなかった」といった後悔を防ぐためにも、ぜひこの時点でカレンダーに日程を登録しておくことをおすすめします。

試験日と当日の流れ

試験本番は11月第2日曜:時間厳守でスムーズな受験を

行政書士試験は、例年「11月の第2日曜日」に実施されるのが通例です。
2025年度(令和7年度)も、この慣例に沿って試験日が発表されています。

  • 試験日:令和7年11月9日(日)
  • 試験時間:午後1時00分~午後4時00分(3時間)

試験当日のスケジュール

単に「午後1時開始」と覚えているだけでは不十分です。
実際の運営は非常に厳格で、受付・着席・説明開始のタイミングが細かく決められています。
以下のタイムラインを正確に把握しておきましょう。

項目時刻
試験室への入室開始午前11時50分頃
受験者の着席完了時刻(厳守)午後0時20分
試験に関する注意事項の説明開始午後0時30分
試験開始午後1時00分(終了:午後4時)

遅刻のリスクと注意点

特に注意すべきなのは、午後0時20分までに着席していないと受験できなくなる可能性があるという点です。
この時点を過ぎての入室は、試験センターの判断により認められないことがあります。

また、午後0時30分からは問題冊子の配付や注意事項の説明が始まり、その後すぐ試験が始まります。
想像以上に余裕がないため、午前中には試験会場に到着しておくことが理想です。

試験日は「体調・交通・準備」の3つを整える日

  1. 交通機関の遅延
    特に都市部では頻発します。早めに現地入りできるよう移動計画を立てましょう。
  2. 当日のメンタル
    時間に追われると実力を発揮できません。余裕を持つことが何よりの対策です。
  3. 前日準備
    受験票、筆記用具、時計(スマホ不可)など、必要物品は前日までに揃えておきましょう。

「午後1時に着けばいい」と思っていた方ほど、当日焦ることになりがちです。
午後0時20分には自席に着いている状態が必須と心得て、心と時間に余裕をもって本番を迎えましょう。

受験申込の方法と受付期間

郵送とインターネット、それぞれの特徴と注意点を押さえる

行政書士試験の申込方法には、

  1. 郵送による申込み
  2. インターネットによる申込み

の2通りがあり、それぞれ手続きの流れや締切の取り扱いが異なります。ご自身の状況に応じて、どちらの方法がより適しているかを判断し、確実に受付期間内に申込みを完了させることが重要です。

郵送申込み:伝統的な方法だからこそ注意点も多い

【受付期間】

令和7年7月22日(火)~8月18日(月)※当日消印有効

郵送申込みは、紙の受験願書を取得し、記入・貼付・封入のうえ、郵便局窓口から簡易書留で送付する方法です。

【手続きの流れ】

  1. 受験願書の入手
    • 都道府県庁や行政書士会の窓口などで配布
    • または、行政書士試験研究センターに返信用封筒を送って郵送で取り寄せ(※配布期間に注意)
  2. 受験手数料の払込み(10,400円)
    • 願書に同封された専用の振替払込用紙を使用
    • 郵便局(ゆうちょ銀行)の窓口でのみ対応(ATM不可)
  3. 証明書の貼付
    • 払込み時に交付される「振替払込受付証明書(お客さま用)」を、願書の指定欄にしっかり貼付
  4. 書類の送付
    • 願書一式を専用封筒に入れ、簡易書留で郵送(ポスト投函は不可)

【注意点】

  • ATMからの払込みは無効(証明書が発行されない)
  • 期日最終日の郵便局窓口での消印が有効
  • 書類の不備や漏れがあると受付されない

インターネット申込み:スピーディーで便利、ただし時間厳守が絶対条件

【受付期間】

令和7年7月22日(火)午前9時 ~ 8月25日(月)午後5時

インターネット申込みは、スマートフォンやパソコンから24時間いつでも手続きが可能です。近年はこちらが主流となっています。

【手続きの流れ】

  1. 事前準備
    • 有効なメールアドレス
    • 顔写真の画像データ(カラー・無帽・無背景)
    • 決済手段(クレジットカードまたはコンビニ払い)
  2. 出願サイトへアクセス
    • 行政書士試験研究センター公式サイトから専用申込み画面へ進み、必要事項を入力
  3. 受験手数料の支払い
    • クレジットカード:VISA、Master、JCB、Amex、Diners
    • コンビニ払い:セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート等
      ※別途370円のシステム利用料がかかります

【注意点】

  • 締切時刻(8月25日午後5時)を1秒でも過ぎると受付不可
  • 締切前日はアクセス集中によりエラーが発生しやすいため、余裕を持った申込みがおすすめ

どちらの方法を選ぶべきか?

比較項目郵送申込みインターネット申込み
受付期間7月22日 ~ 8月18日(消印有効)7月22日 午前9時 ~ 8月25日 午後5時
支払方法郵便局窓口での払込のみクレカまたはコンビニ決済(+手数料あり)
会場選択の有利度郵送物の到着に時間がかかる分、やや不利申込完了時点で会場確定、早ければ有利
書類不備リスク書類の記入・証明書貼付に注意が必要入力項目を画面で確認できるため比較的ミスが少ない

特に試験会場は先着順で決定されるため、希望する地域で受験したい場合は、受付開始直後にインターネット申込みを完了するのが最も確実です。

申込方法の違いと選び方のポイント

試験会場の確保にも影響する“戦略的な申込み”を考える

行政書士試験の申込み方法は、「郵送」と「インターネット」の2通りありますが、
これは単なる手続きの違いにとどまらず、試験会場の選択にも大きな影響を及ぼします。

ここでは、それぞれの申込み方法を比較しながら、どのような戦略で申し込むべきかを検討します。

比較表:郵送申込み vs インターネット申込み

比較項目郵送申込みインターネット申込み
受付期間7月22日(火)~8月18日(月)
※当日消印有効
7月22日(火)午前9時~8月25日(月)午後5時
締切の取り扱い郵便局の消印日が有効画面入力の完了時点(時間厳守)
支払方法郵便局(窓口)のみクレジットカード/コンビニ決済対応
追加手数料払込手数料(数十円)システム利用料(370円)+決済手数料
会場選択の優位性郵送のためセンター到着まで日数がかかる → やや不利受付即時反映 → 希望会場を確保しやすい
手続きの簡便性書類記入・郵送が必要24時間オンラインで完結

会場は先着順!戦略的に申込方法を選ぶ

行政書士試験では、試験会場の割当てが“先着順”で決まるというルールがあります。

そのため、希望する会場(交通アクセスの良い大学など)で受験したい場合は、
受付開始直後(7月22日午前9時)にインターネット申込みを完了するのが最も有利です。

一方、郵送申込みは、願書の到着が遅れることで希望会場が埋まってしまい、
同一都道府県内の他会場に自動的に振り替えられるリスクがあります。

こんな方にはインターネット申込みがおすすめ

  1. 希望する試験会場がある(人気会場を確保したい)
  2. 願書取り寄せや郵便手続きが面倒
  3. 支払いはキャッシュレス決済を希望
  4. スマートフォンやPCの操作に慣れている

郵送申込みが向いているケースもある

  1. 顔写真データの準備が難しい
  2. インターネット環境が不安定
  3. アナログの手続きに慣れている方
  4. コンビニ払いやカード決済に抵抗がある場合

いずれの方法を選ぶにしても、早めの準備と申込み完了が最重要です。
試験当日だけでなく、その前からすでに「戦い」は始まっています。

受験手数料と支払い方法

申込方法によって支払いのルールが異なるので要注意

行政書士試験の受験手数料は、以下の通りです。

  • 受験手数料:10,400円(非課税)

この金額は令和4年度から改定され、2025年度も同額が設定されています。

注意すべき点は、選択した申込方法(郵送 or インターネット)によって、支払い手段やルールが大きく異なることです。
以下にそれぞれの詳細を解説します。

インターネット申込みの場合

支払い方法が柔軟、ただし追加手数料が発生

インターネット申込みでは、クレジットカードまたはコンビニ決済が利用できます。

【対応している支払い方法】

  1. クレジットカード決済
    • 利用可能ブランド:VISA、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club
    • 本人名義のカードを使用することが原則です
  2. コンビニエンスストア決済
    • 対応店舗:セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、デイリーヤマザキ、セイコーマートなど
    • 支払い期限に注意(申込時に案内される)

【手数料】

  • 受験手数料:10,400円
  • システム利用料:370円(税込)
  • コンビニ払いの場合は別途決済手数料が加算されます(数十円程度)

【注意点】

  • 申込手続き中に支払いまで完了していないと無効になります
  • 支払い後のキャンセル・返金は不可(試験中止時など特例を除く)

郵送申込みの場合

支払い方法は郵便局窓口のみ、ATM不可

郵送申込みでは、受験案内に添付されている専用の振替払込用紙を使い、郵便局(ゆうちょ銀行)の窓口で支払う必要があります。

【支払いの手順】

  1. 専用の払込用紙に必要事項を記入
  2. 郵便局の窓口で10,400円を現金で支払い
  3. 窓口で交付される「振替払込受付証明書(お客さま用)」を願書の所定欄に貼付

【最重要ポイント】

  • ATMからの振込みは絶対にNG
  • ATMでは証明書が発行されないため、願書が無効になります
  • 払込証明書が剥がれている場合も無効扱いとなるため、しっかりと貼付しましょう

まとめ:申込方法に応じて正しく支払う

項目インターネット申込み郵送申込み
支払方法クレジットカード/コンビニ決済郵便局(ゆうちょ銀行)窓口のみ
追加手数料システム利用料370円+決済手数料(実費)払込手数料(通常数十円)
必要な提出物支払情報の確認のみ(オンライン処理)払込証明書を願書に貼付
NGな支払い方法なし(指定ブランド外のカードは利用不可)ATM振込(証明書が発行されない)

申込み完了は「支払いを含めた一連の手続きが完了した時点」となります。
特に郵送申込みの場合は、証明書の貼付ミスやATM利用による無効など、些細なミスで受理されないケースがあるため十分注意してください。

試験会場の決定と注意点

希望する会場で受験するには“申込みのタイミング”がカギ

行政書士試験は、全国の受験者に配慮して全47都道府県で実施されます。
ただし、申込み時に選択できるのは「試験地(都道府県)」までであり、具体的な会場(大学や専門学校の教室など)は自動割当となります。

この試験会場の割当には、「先着順」という重要なルールがあるため、希望会場で受験したい方は特に注意が必要です。

試験地は全国47都道府県に設置

行政書士試験は、以下の47都道府県すべてで実施されます。

北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、
新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

そのため、基本的には居住地や勤務先に近い地域での受験が可能です。

会場の割当は“先着順”

人気の会場はすぐに満席になる

試験会場の割当は、申込順に応じて自動的に行われます。
特に都市部(例:東京・大阪・名古屋など)では、アクセスの良い大学会場などに人気が集中し、受付初日で満席になるケースもあります。

したがって、次のような申込戦略が極めて重要です。

  • インターネット申込みの方が有利
    → 受付開始(7月22日午前9時)直後に申し込めば、人気会場が確保しやすい
  • 郵送申込みは時間差が生じる
    → 郵便物がセンターに届くまでにタイムラグがあり、その間に枠が埋まる可能性あり

会場変更は原則不可!慎重な申込みを

一度申し込んだ後は、たとえ引っ越しや転勤などの事情があっても、試験会場の変更は一切できません。

また、申込時に希望した試験地(都道府県)内の希望会場がすでに満員だった場合は、自動的に他の会場に振り分けられます。会場は選べません。

最終的な受験会場は、例年10月中旬〜下旬頃に郵送される「受験票」に記載されます。
受験票が届いたら、会場名・所在地・持ち物などを必ず確認してください。

※ 試験会場となる大学などへの直接の問い合わせは禁止事項とされています。
すべての問い合わせは、行政書士試験研究センターへ行うようにしましょう。

まとめ:希望の会場を押さえる3つのポイント

  1. 申込初日の午前9時を狙ってネット申込みすることが最有力戦略
  2. 郵送の場合は余裕を持って早めに手続きを完了すること
  3. 会場は先着順・変更不可という前提で、慎重に申込むこと

試験そのものの準備はもちろん重要ですが、受験環境も実力発揮の大きな要素です。
「アクセスの良い会場で、集中できる状態で試験に臨む」ためにも、早めの行動を心がけましょう。

まとめ:出願前に確認しておきたい重要チェックリスト

行政書士試験は、正確な準備から始まっている

行政書士試験は、試験勉強以前に「正確な出願手続き」を完了させることが第一関門です。
特に2025年度(令和7年度)試験では、手続きの厳格さと締切の明確さが例年以上に重要となっています。

ここでは、受験申込み前に確認すべきポイントをスケジュールベースのチェックリスト形式でまとめました。
この一覧を参考にして、出願ミスを防ぎ、安心して本番の準備に集中できるようにしておきましょう。

【スケジュール確認編】

項目日程
申込受付開始日令和7年7月22日(火)午前9時開始
郵送申込の締切(消印有効)令和7年8月18日(月)
インターネット申込締切令和7年8月25日(月)午後5時厳守
試験日令和7年11月9日(日)
合格発表予定日令和8年1月28日(水)午前9時(予定)

【出願準備編】

その1: 申込方法の選択

  • 自分にとって手続きしやすいのは郵送かインターネットか?
  • 希望する会場で受験したいなら、ネット申込みを優先

その2: 顔写真データの準備(インターネット申込の場合)

  • 無帽・無背景・カラーのJPEG画像が必要
  • サイズや規格も要確認(試験研究センターの指示に従う)

その3: 願書の入手と記入(郵送申込の場合)

  • 都道府県庁・行政書士会などで入手、または郵送請求
  • 専用の払込用紙、証明書の貼付を忘れずに
  • 簡易書留での郵送が必須(ポスト投函不可)

その4:受験料の支払い手段を確認

  • ネット申込:クレジットカード or コンビニ決済(+手数料)
  • 郵送申込:郵便局窓口で現金支払(ATM不可)

その5: スケジュール管理

  • 締切日をスマホや手帳にメモ・リマインド設定
  • 締切前日に慌てないよう、余裕をもって行動する

最後に:手続きを制する者が、試験を制す

行政書士試験は法律知識の有無を問う前に、制度や手続きの正確な理解と実行力を問う試験でもあります。
実際、「願書の記入ミス」「提出期限の失念」などによる出願無効は、毎年少なくありません。

だからこそ、このチェックリストをもとに一つひとつの手続きに確実に対応していくことが、
合格への第一歩であり、「行政書士としての姿勢」を問われる瞬間でもあります。

本記事が、皆様の出願成功と本番への万全な備えにつながることを願っています。

参考・出典情報一覧

本記事は公式発表などの一次情報をもとに構成しています

本記事の内容は、2025年度(令和7年度)行政書士試験に関する最新の一次情報(公式資料・公的機関の発表)に基づいて執筆しています。
受験手続きや試験日程に関する重要な事項は、以下の信頼できる情報源から確認しています。

【一次情報】

  • 一般財団法人 行政書士試験研究センター
     試験案内のページはこちら
     試験会場一覧のページはこちら

【ご注意】

上記のURLは2025年7月時点の情報に基づいて掲載しています。
試験制度・申込方法等に変更が生じる可能性もあるため、最新の情報は必ず行政書士試験研究センター公式サイトで確認するようにしてください。

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