合格率46.82%と全額返金――本当に信じていいのか?
アガルート行政書士講座の公式サイトを開くと、ひときわ目を引くのが「合格率46.82%」「合格で全額返金」という、極めてインパクトの強い数字と制度です。
あまりに好条件が並ぶため、「本当にそんなに受かるの?」「裏があるんじゃないか?」と疑問を抱く方も少なくないでしょう。実際、こうした数字の裏側には、講座を提供する側の“意図”や“構造”が存在します。
この記事では、現役行政書士として法律教育に精通する筆者が、アガルート行政書士講座の実態を第三者目線で徹底的に分析します。公式サイトでは語られない合格率の根拠や返金制度の適用条件、実際の受講生の声までを深掘りし、「その数字を信じていいか?」に真正面から答えます。
読み終えたときには、アガルートがあなたにとって「信頼できる選択肢」なのかどうか、冷静かつ納得をもって判断できるようになるはずです。
結論ファースト|アガルート講座が真価を発揮するのは、こんなタイプの受験生
最初に結論をお伝えします。複数の通信講座を比較検証してきた立場から見て、アガルート行政書士講座は、以下のような受験生に特に強くおすすめできる講座です。
1. 忙しくても効率的に学びたい社会人・主婦(主夫)
通勤時間や家事の合間など、限られたスキマ時間を有効に使いたい方に最適です。アガルートは通学不要で、スマートフォン1台でも受講可能。動画講義の倍速再生や一時停止、巻き戻しも自在で、ライフスタイルに合わせた柔軟な学習が可能です。
2. 「質×投資対効果」を重視する現実志向の方
アガルートの受講料は決して安くありませんが、合格すれば受講料が全額返金される制度があり、実質的なコストパフォーマンスは極めて高水準です。「良質な教材に投資し、結果で回収する」という合理的な価値観を持つ方に最適です。
3. リスクを最小限に抑えて挑戦したい慎重派
「万が一不合格だったら…」という不安を抱えている方にも、アガルートは安心材料を提供します。全額返金制度やお祝い金制度といった明確な合格特典は、自身の努力が直接リターンに結びつく仕組みとして、挑戦への背中を押してくれます。
このように、アガルートは「短期間で結果を出したい」「合格に確実に近づく学習環境を求めている」という方にとって、非常に強力な選択肢となり得ます。
第1章|受講者のリアルな声から見えてくる、アガルートの強みと課題
行政書士講座を選ぶうえで、最も参考になるのは実際の受講生の声です。アガルートに関する口コミはX(旧Twitter)やブログ、比較サイトに多数掲載されていますが、良い評価と厳しい意見の両方が見受けられます。
ここでは、そうした受講者のリアルな声をもとに、アガルートの「実際の使用感」について客観的に整理してみましょう。
1-1 高評価の声に共通するポイント|講義の質・教材の設計・サポート体制
もっとも多く見られるのは、「講義が圧倒的にわかりやすい」という声です。特に豊村慶太講師の授業は、「面白くて飽きない」「記憶に残る」「法律の抽象概念がイメージできる」といった高評価が多数寄せられています。
アガルートの講義は、身振り手振りを交えたライブ感のある解説で、長期間にわたる法律学習でもモチベーションを維持しやすいのが特徴です。
また、講義と連動したフルカラーテキストは、重要度に応じた色分け(例:Aランクはピンク、Bランクは緑など)がされており、復習時に非常に効率的です。令和6年度の本試験では、出題カバー率95.7%という実績も報告されており、教材の網羅性も高く評価されています。
さらに、Facebookグループでの質問受付(月回数制限あり)や、YouTubeライブでの受講相談、バーチャル校舎での交流など、オンライン学習の弱点である「孤独感」への配慮も充実しています。
1-2 厳しい意見に見る注意点|教材ボリュームと自己管理の難しさ
一方で、「教材の量が多すぎて消化できない」「途中で挫折した」といった声も一定数存在します。実際、入門総合カリキュラム(フル)は総講義時間340時間超とされ、他社と比較しても圧倒的なボリュームです。
このボリュームは、アガルートの「網羅性」を支える強みでもありますが、反面、受講者に高い自己管理能力と継続力を求める側面があります。中途半端な取り組みではかえって消化不良になりやすいため、「教材を絞らずすべてやり切る」という覚悟が必要です。
また、ネット上には合格者の体験談が多く見つかる一方で、「不合格だった」という声は少ない傾向にあります。これは、合格体験記の提出で得られる返金制度という仕組みが影響しており、情報が合格者側に偏る構造になっていることも理解しておくべきです。
このように、アガルートには「講義・教材・サポート体制の質」において非常に強い支持がある一方で、「自己管理の難しさ」や「情報の偏り」といった課題も存在します。両面を踏まえて、自分に合った講座かどうかを慎重に判断することが重要です。

ボリュームの多さは、教材を買い足す必要がないということ=テキスト選びの時間がなくなる=すべての時間を勉強に費やせるということです!
第2章|「合格率46.82%」の真実とは?数字の根拠と他社比較で見える実力
アガルートの広告で大きく掲げられている「合格率46.82%」という数字は、全国平均(12.9%)と比較しても実に3.6倍以上という驚異的な数値です。
しかし、こうした高い合格率を見ると、「数字に裏はないのか?」「実際どのように算出されているのか?」と疑問を抱くのも当然です。本章では、その合格率の算出方法と、他の予備校との比較を通じて、アガルートの実力を客観的に検証します。
2-1 合格率の算出方法を正しく理解する
まず確認すべきは、「合格率46.82%」という数字の算出根拠です。アガルートの公式情報によれば、この数値は次の条件に該当する受講生を母数としています。
- 有料講座の受講者であること
- 合格発表後に指定されたアンケートに回答したこと
つまり、すべての受講生を対象にした「全体の合格率」ではなく、講座を最後まで受講し、アンケート提出という条件を満たした“コミット層”の合格率である点に注意が必要です。
一見すると数字のトリックのように見えるかもしれませんが、これは講座をやり抜いた受講生の「到達可能な現実」を示すデータと捉えることもできます。逆にいえば、学習の継続意欲が低い方や途中離脱した受講生は、この統計には含まれていないのです。
2-2 競合他社との比較で見えるアガルートの特徴
次に、他の代表的な行政書士講座と比較してみましょう。
- フォーサイト:2023年度の合格率は45.45%(アンケート回答者ベース)。アガルートと同様の手法で高い数値を公表しています。
- 伊藤塾:伝統ある法律系予備校ですが、合格率や合格者数などの具体的なデータは非公開とされています。
この比較から見えるのは、アガルートやフォーサイトのようなオンライン系講座は「データによる信頼性の提示」を積極的に行う一方、伊藤塾のような老舗校は「ブランド力や教育の質」で勝負する傾向があるということです。
数字の見せ方に各社の戦略が反映されている以上、単純な合格率だけで優劣を判断するのは適切ではありません。重要なのは、その数値がどのような条件下で導き出されたものかを理解し、「自分にとって意味のある指標かどうか」を見極めることです。

数字は参考。合格率が示すのは充実した学習教材があるということ。つまりあとは自分がやりきるだけ!
第3章|「全額返金制度」の仕組みと注意点を正しく理解する
アガルート行政書士講座の大きな魅力のひとつが、「合格で受講料全額返金」という制度です。しかし、魅力的なこの制度には明確な適用条件と、あらかじめ理解しておくべきリスクが存在します。
この章では、制度の内容とその裏側を詳しく整理し、「あとから後悔しないために」知っておくべきポイントを解説します。
3-1 合格者が選べる2つの特典|「お祝い金」or「全額返金」
行政書士試験に合格した場合、アガルートでは次の2つの特典のいずれかを選択することができます。
- ① お祝い金5万円
- ② 受講料の全額返金
どちらも魅力的な特典ですが、適用条件に大きな違いがあるため、事前に比較しておくことが大切です。
3-2 適用条件の違いと見落としやすい注意点
特典の申請にあたっては、いずれも以下の条件が必要です。
- 合格通知書(合格証)の画像提出
- 所定の文字数を満たす「合格体験記」の提出
さらに、「全額返金」を希望する場合には、追加で次の条件が求められます。
- 実名および顔写真の公表
- 合格者インタビュー(動画)への出演
- 上記内容がアガルートの公式サイト等に掲載されることへの同意
つまり、「全額返金」は単なる事務手続きではなく、「受講料の返金」と引き換えに、自身の肖像権・プライバシーをアガルート側に提供する“非金銭的な対価”が求められる制度です。
また、申請は合格発表後1週間以内など、厳格に定められた期限内に完了させなければ無効となります。申請漏れ・期限超過は一切認められないため、申請の段取りも事前に把握しておく必要があります。
3-3 顔出し・実名公開のリスクと対価をどう捉えるか
「全額返金」の最大の注意点は、実名・顔出しでの公的な露出が必須であるという点です。これは、アガルートが合格者を広告素材として活用することを前提に制度設計をしているからです。
勤務先や家族に知られたくない事情がある方、プライバシー保護を重視する方にとっては、ハードルが高いと感じるかもしれません。その場合は、お祝い金5万円のみが現実的な選択肢となることをあらかじめ理解しておきましょう。
つまり、この制度は「全員が対象となるお得な仕組み」ではなく、「公表可能な合格者」にとっては非常に強力なメリットになる一方、顔出し不可の方には活用が難しいという、適用対象が限定される制度であるといえます。
制度の仕組みや適用条件を正しく理解していれば、後から「そんな話聞いてない…」という失敗は避けられます。特典の利用を前提に受講を検討している方は、必ず細則まで確認し、自身の状況に照らして選択することが大切です。

全額返金されたら独学よりも高いコスパ・・・!

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第4章|アガルート行政書士講座の強みと弱点を徹底整理
ここまでの内容を踏まえ、アガルート行政書士講座のメリットとデメリットを改めて整理します。受講を検討するうえでの判断材料として、総合的に比較してみましょう。
4-1 メリット:高品質な講義・教材・サポート体制
✔ 圧倒的に分かりやすい講義
豊村慶太講師をはじめとする実力派講師陣による講義は、「法律が初めての方でも理解しやすい」「飽きずに学習を続けられる」と多くの受講生から高く評価されています。ライブ感のある語り口と具体的な例示によって、法律の抽象的な概念をイメージしやすく構造的に学べます。
✔ 講義と完全連動した戦略的教材
講師自身が執筆したフルカラーテキストは、図表と重要度に応じた色分けが施されており、講義内容との親和性が高く、復習効率を最大化します。令和6年度試験では出題カバー率95.7%という実績もあり、網羅性の高さにも定評があります。
✔ オンライン学習を支える手厚いサポート
質問制度(Facebookグループによる講師対応)や月1回のYouTubeライブ、受講生同士が交流できる「バーチャル校舎」など、オンライン学習にありがちな「孤独感」を軽減する体制が整っています。通信講座であっても孤立せず、学習意欲を維持しやすい設計が魅力です。
✔ 合格すれば実質無料の返金制度
全額返金制度やお祝い金制度を活用できれば、コストパフォーマンスは他講座を圧倒します。合格という成果が、直接的なリターンに結びつく仕組みは大きな動機づけとなります。
4-2 デメリット:受講前に把握すべき3つの課題
▲ 初期費用が高額
「入門総合カリキュラム(フル)」の受講料は30万円前後と、他の通信講座(例:フォーサイト約9.5万円)と比べて明らかに高価格帯に位置します。制度やサポートを含めたトータル価値を重視する方向けです。
▲ 強い自己管理能力が求められる
通学型とは異なり、学習の進行は完全に自己責任となります。スケジュール管理や進捗の見える化が苦手な方にとっては、モチベーションの維持が大きな課題となり得ます。
▲ 教材のボリュームが多く、取捨選択が不可欠
講義時間は約340時間と非常に豊富で、教材の網羅性も業界トップクラスです。ただし、分量の多さが「やりきれない」不安に直結するケースもあります。講座の全体像を把握し、自分に必要な範囲を見極めながら計画的に進めることが重要です。
このように、アガルートは“質と結果”を重視する方にとって非常に魅力的な講座である一方、費用面や自己管理能力といった点では相応の覚悟が必要です。自分の学習スタイルや価値観に合致するかを冷静に見極めたうえで、受講を検討しましょう。
第5章|他社との比較で見えてくるアガルートのポジションと強み
行政書士講座を選ぶ際、複数の講座を比較検討するのは当然のステップです。ここでは、特に受験生からの関心が高い「伊藤塾」「フォーサイト」とアガルートを比較し、各校の特徴や立ち位置の違いを明らかにしていきます。
5-1 教育方針と提供価値の違いを理解する
各校の講座設計には、それぞれ異なる“思想”が反映されています。アガルートが掲げる「合格=成果」の思想は、伊藤塾やフォーサイトとどう異なるのでしょうか。
■ アガルート:成果主義×自己投資回収型
「合格すれば全額返金」という制度に象徴されるように、結果を出した人が最大限報われる“成功報酬型”の設計がなされています。短期集中で結果を求める現代的ニーズに応えるスタンスです。
■ 伊藤塾:教育の本質に重きを置いた伝統派
「合格=通過点」という理念を掲げ、法律学の体系的理解と深い教養を重視する講座設計です。合格実績に関する数値をあえて公表しない姿勢も、ブランドとしての自信と教育哲学を反映しています。
■ フォーサイト:効率重視の合理的スタイル
短期間・低コストで合格を狙いたい方向けに、出題範囲の絞り込みと学習効率を追求した教材構成が特徴です。返金制度はあるものの、適用条件は非常に限定的で“保険型”の色合いが強く出ています。
5-2 主要5項目での徹底比較表
以下の5つの軸で、アガルート・伊藤塾・フォーサイトを比較してみましょう。
評価項目 | アガルート | 伊藤塾 | フォーサイト |
---|---|---|---|
価格帯 | 高額(入門総合 約30万円) | 高額(約24万円+入塾金) | 比較的安価(約9.5万円) |
教材の質 | |||
サポート体制 | |||
合格実績 | 合格率46.82%(回答者ベース) | 非公開 | 合格率45.45%(回答者ベース) |
保証制度の思想 | 成果報酬型(合格者に返金または祝い金) | 保証制度なし(教育品質で勝負) | 不合格時保証あり(条件厳格) |
このように、アガルートは「成果へのコミット」「網羅的教材」「オンライン特化型サポート」といった特長を備えつつ、自己管理能力が高く、確実に合格を狙いたい層に向けた講座設計となっています。
一方で、伊藤塾は深い法学教育を求める方、フォーサイトは低コストで効率的に合格したい方に適しています。自分の目的・学習スタイルに合った講座を選ぶことが、合格への最短ルートとなるでしょう。

伊藤塾は「合格の先を見据えた設計」、アガルートは「とにかくまずは試験に合格する設計」。あとは相性の問題ですよね。

1年は勉強漬けになるわけだし。
おわりに|「今年こそ合格をつかみたい」あなたにとって、アガルートは本当に最適か?
アガルート行政書士講座が掲げる「合格率46.82%」「全額返金保証」といった制度は、一見すると信じがたいほど魅力的に映るかもしれません。
しかし本記事を通じてお伝えしてきたとおり、これらの数字や制度には、明確な算出根拠と適用条件があります。それらを正しく理解したうえで活用すれば、アガルートは単なる宣伝文句ではなく、本気の受験生にとって極めて合理的で戦略的な選択肢となります。
高い網羅性と実績に裏打ちされた教材、学習を支える講義とサポート、そして結果に応じた明快なインセンティブ設計。これらは、合格という目標に向かうあなたにとって、非常に強力な武器となるでしょう。
もちろん、受講料は安くありませんし、自己管理力も求められます。しかし、「投資に見合う成果を得たい」「結果で報いる講座を選びたい」と考える方にとって、アガルートは極めて理にかなった選択であることは間違いありません。
受講を決めるのは、最終的にはあなた自身です。
ただし、もしあなたの中に「今年こそ本気で合格したい」という強い意志があるのなら、アガルートはその覚悟に応えてくれる講座であると、私は確信をもっておすすめします。
まずは無料で体験してみませんか|アガルート公式サイトで講義と教材を自分の目で確認
どれほど詳細な情報を集めたとしても、最終的な判断を下すには「実際に触れてみる」ことが一番です。
アガルート行政書士講座では、実際の講義映像の一部やテキストサンプルを、無料で体験・確認することができます。特に豊村講師による講義のテンポや解説のスタイルは、文章だけでは伝えきれない価値があります。
また、公式サイトからは無料資料請求も可能で、カリキュラムやサポート体制、講座内容の詳細を事前に把握できます。
あなたの目で講座の質と雰囲気を確かめてから、最終判断をしてみてはいかがでしょうか。